コラム
» 2012年06月15日 08時01分 UPDATE

杉山淳一の時事日想:あえて現地に放り出す? 鉄道ツアーの仕掛け (1/5)

「鉄道ツアー」のノウハウを蓄積した日本旅行が、新たに手がけるターゲットは「地方鉄道」だ。鉄道好きでなければ気づきにくい「観光資源」に、地方自治体も注目しているという。

[杉山淳一,Business Media 誠]

杉山淳一(すぎやま・じゅんいち)

1967年東京都生まれ。信州大学経済学部卒。1989年アスキー入社、パソコン雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年にフリーライターとなる。PCゲーム、PCのカタログ、フリーソフトウェア、鉄道趣味、ファストフード分野で活動中。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。2008年より工学院大学情報学部情報デザイン学科非常勤講師。著書として『知れば知るほど面白い鉄道雑学157』『A列車で行こう9 公式ガイドブック』など。公式サイト「OFFICE THREE TREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」、Twitterアカウント:@Skywave_JP、誠Styleで「杉山淳一の +R Style」を連載している。


 日本旅行の「鉄道ツアー」のパンフレットをいくつか眺めていたら、従来のパックツアーではありえない文字が出てきた。「現地解散」である。

 例えば、2011年6月に開催された「ひたちなか海浜鉄道 車両清掃応援と営業再開1番列車の旅」の日程は次の通り。上野駅8時に集合。常磐線の特急列車で勝田へ。そこからひたちなか海浜鉄道の車両基地がある那珂湊駅まで代行バスに乗車。駅構内の見学と車両清掃を体験し、貸切列車で運行再開区間を往復。那珂湊駅に戻って……解散。

 これで終わりである。常磐線に接続する勝田駅までは、参加者に配布されるフリーきっぷで代行バスに乗れる。でも、その先は自力で帰ってこなくてはいけない。

 往復ツアーの往路、復路をバラ売りするというプランもある。2011年3月に開催された「ありがとう489系」号の旅。国鉄時代に製造された489系という特急電車で、先頭車がボンネットタイプになっている。この車両が引退する前に、大阪―金沢間を往復する貸切列車を仕立てた。主なプランは1泊2日で、1日目は大阪から489系電車で金沢へ。金沢のホテルで1泊し、翌日は金沢発大阪行きの489系電車で戻る。しかし「1日目だけ」「2日目だけ」というプランが用意されている。

yd_sugiyama1.jpg ひたちなか海浜鉄道ツアーの記念写真
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