ティモシェンコの件でもめるウクライナにとって、UEFA EURO 2012の失敗は許されない。ヤヌコビッチ政権は大会を足がかりに、外国からの投資を呼び込もうとインフラ整備を進めてきた。その費用は開催までの5年間でGDPの9%ほどである130億ドルを超えている。開催が決定した2007年時点で、今のような世界的な経済危機は予想できなかっただけに、UEFA EURO 2012の開催による負担はウクライナにさらに重くなっているはずだ。
それだけに、美人過ぎた元首相の件でミソが付くのは許せないのだろう。経済専門家たちの中には、この件がなくともUEFA EURO 2012のための無責任な散財が、今後何年かにわたってウクライナ経済の足を引っ張るだろうと指摘する者もいる。
スポーツは影響力があるからこそ利用され、裏にはいろいろな思惑が渦巻く。もちろん純粋にスポーツ観戦を楽しみたいと思うファンは多いはずだが、UEFAチャンピオンズリーグ決勝でのイスラエル国旗のように、望まなくともそうした思惑に巻き込まれていることもまた事実なのだ。
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