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» 2012年06月13日 08時01分 UPDATE

新連載・ローソンの海外物語(中国編):中国のコンビニで「おでん」が売れた理由 (1/4)

中国のコンビニで売れている商品といえば「熬点」。日本のコンビニでもよく売れている「おでん」ですね。そもそも中国に「おでん」はなかったのに、なぜヒット商品になったのでしょうか。歴史を振り返りながら、その謎に迫っていきます。

[ローソン海外事業研究部,Business Media 誠]

ローソン海外事業研究部

ローソン入社2年目の若手と、13年目の中堅社員2名で構成している。同社のいろいろな取り組みを社内ブログなどに執筆し、情報発信することが主な活動。

コラム『ローソンの海外物語』では海外事業をどのように展開してきたのか、現地のコンビニではどのような商品が売れているのか、といった内容を紹介していく。


 日本ではコンビニがあって当たり前になりましたが、さて中国ではどのような状況なのでしょうか。

 いまや、中国全土にある日系コンビニの数は、約3000店。地元のコンビニ、いわゆる“国営コンビニ”を合わせると、1万店舗を超えています。とりわけ世界的都市の上海には日系コンビニと国営コンビニが多数ひしめき合っています。

 コンビニの海外進出が話題になっていますが、現地ではどのような商品が売られているのでしょうか。やはり食事情が違えば、棚に並んでいる商品も違うのでしょうか。そこでこの連載では中国にスポットを当て、現地のコンビニ事情(全5回)に迫っていきたいと思います。

中国にコンビニを持ち込んだ

yd_lowson2.jpg 現在のローソン1号店

 そもそも中国にコンビニができたのは1996年。ローソンが、上海に1号店を出店したのが始まりです。当時の中国は、海外のお店が珍しく、さらに「日本のモノは優れている」などと言われていました。

 そしてオープン当日。テレビCMの効果もあり、お店の周囲には溢れるほどの人が詰めかけました。政府関係者がテープカットを行い、いよいよ開店すると、店頭には警備員が立ち、入場規制がかかるほどの大盛況ぶり。コンビニでの入場規制なんて、日本ではありえませんよね。

 お客さまの男女比をみると、日本は男性が約7割ですが、中国では半々。なぜ中国のコンビニで女性客が多いかというと、化粧品やパンストといった女性向けの商品をそろえていたから。では、このほかどんな商品が置かれていたのでしょうか。

 弁当、おにぎり、惣菜、ベーカリー、さらにアメリカンドッグやコロッケといったファストフーズを扱うなど、基本的には日本と同じ商品が店頭に並んでいます。ただ商品の種類は、日本の2500〜3000アイテムに対し、中国は1000アイテムほど。

 なぜ商品の種類が少ないかといえば、当時、中国では商品問屋を通すシステムがありませんでした。商品を仕入れるには、1つ1つメーカーと交渉するしかなく、1号店オープンまでには1000アイテムしかそろえられなかったのです。

 ビジネスには「信用」(信頼関係)が必要です。「信用」なくしてビジネスは成立しません。これは中国でも同じことで「コンビニって何者?」「商品を搬入して大丈夫なの?」といった不安があったのでしょう。オープン当日までに届いた商品は、予定の6割にとどまりました。ただ、お店の盛況ぶりが続いたので、開店1カ月後に、慌てて商品を納品してきたメーカーもありました。こうしてお店で予定していた商品もそろい、売り上げも順調に伸びていきました。

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