連載
» 2012年05月16日 08時01分 UPDATE

新連載・どうなる? 鉄道の未来(1):なぜ新幹線は飛行機に“勝てた”のか (1/7)

鉄道の未来は厳しい。人口減で需要が減少するなか、格安航空会社が台頭してきた。かつて経験したことがない競争に対し、鉄道会社はどのような手を打つべきなのか。鉄道事情に詳しい、共同通信の大塚記者と時事日想で連載をしている杉山氏が語り合った。

[土肥義則,Business Media 誠]

 鉄道の未来は? と聞かれれば、答えは「厳しい」と言わざるを得ない。人口減で需要が減少するなか、台頭する格安航空会社(LCC)と整備されていく高速道路網と戦っていかなければいけないからだ。

 もちろん鉄道が急速に衰退するとは思えない。むしろ首都圏では次々に新線が開業し、既存路線が整備されていっている。「過当競争に陥っているのではないか」という懸念が広がるなか、地方鉄道は赤字に苦しみ、廃止・縮小を余儀なくされている。

 こうした現状に対し、鉄道会社は次の一手をどのように打てばいいのだろうか。そこで鉄道事情に詳しい共同通信の大塚圭一郎記者とBusiness Media 誠で連載をしている杉山淳一氏に、徹底的に語り合ってもらった。対談は全7回でお送りする。

プロフィール

大塚 圭一郎(おおつか・けいいちろう)

共同通信社編集局経済部記者・携帯電話向けニュースサービス「NEWSmart共同通信」の週刊鉄道コラム「汐留鉄道倶楽部」執筆者。

 1973年4月、東京都生まれ。国立東京外国語大学外国語学部フランス語学科卒。97年4月に共同通信社に記者職で入社し、松山支局、大阪支社経済部を経て2006年5月から編集局経済部。国土交通省記者クラブキャップを2年間務めるなど運輸業界の取材経験が長く、鉄道関連記事を多く手掛けている。新幹線300系と100系の12年引退を10年5月に、今春の特急「あさぎり」からの371系引退を昨年10月にそれぞれ他社に先駆けて報道した。休日は、父親以上に熱心な鉄道ファンである息子と一緒に鉄道旅行に出掛けることが多い。共著書に『ジャーナリズムのいま』(みずのわ出版)などがある。

杉山淳一(すぎやま・じゅんいち)

1967年東京都生まれ。信州大学経済学部卒。1989年アスキー入社、パソコン雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年にフリーライターとなる。PCゲーム、PCのカタログ、フリーソフトウェア、鉄道趣味、ファストフード分野で活動中。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。2008年より工学院大学情報学部情報デザイン学科非常勤講師。著書として『知れば知るほど面白い鉄道雑学157』『A列車で行こう9 公式ガイドブック』など。公式サイト「OFFICE THREE TREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」、Twitterアカウント:@Skywave_JP、誠Styleで「杉山淳一の +R Style」を連載している。


なぜ新幹線は飛行機に勝てたのか

――「日本の鉄道技術は高い」と言われていますが、本当にそうなのでしょうか?

杉山:世界的にみて、日本の鉄道技術は際立っていると思っています。鉄道ダイヤをみれば「なぜそこまでして走らせなくちゃいけないのか?」と思ってしまう。でも日本の鉄道は、目一杯走らせなくてはいけないんですよ。

 多くの外国人は、東京駅に行ったらびっくりしてしまう。なぜなら山手線が2分おきに来るので(笑)。また、そんなに来るのに駆け込み乗車をする人がいることにも、驚いていますね。

 そして外国人はこう言うんですよ。「日本の鉄道ってすごいね」と。でも「実は、1分40秒おきに来るんですよ」と伝えると、彼らは “信じられない”といった表情をしますね。

大塚:今、海外では鉄道技術の輸出合戦が繰り広げられています。そうした日本の技術って、海外でも受け入れられると思いますか?

yd_taidan1.jpg Business Media 誠で鉄道に関するコラムを連載している杉山淳一氏(左)、鉄道関係の取材をしている共同通信の大塚圭一郎記者(右)
       1|2|3|4|5|6|7 次のページへ

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Loading

注目のテーマ