――鉄道会社は「自由席」をつくりたくない理由があるのでしょうか?
杉山:自由席を作りたいか作りたくないかというよりは、着席サービスにものすごくこだわっていますね。とにかくお客さんには、座って移動してもらうという考えが強い。
自由席というのは「席」なのですが、繁忙期になれば立っている人も受け入れる「車両」。立ったままの移動と、座ったままの移動、どちらがいいかといえば、もちろん「座ったままの移動」。しかしこの考えは、長距離に限っての話だと思いますね。
大塚:あと自由席を設けない理由として「効率化」と「利益率拡大」がありますよね。JR東日本の新幹線の場合、指定席であれば改札を通った瞬間に、お客さんが乗った情報を管理することができます。そうすれば声をかけて検札する必要がなくなるので、乗務員を削減することができます。
杉山:JR東日本は新幹線の車内検札をやっていませんしね。
ところで、海外の高速列車はどうなっているのでしょうか?
大塚:ドイツで高速鉄道のICE(インターシティ・エクスプレス)の指定席券を購入して乗車しました。そのときに驚いたことは、座席の窓の上に電光表示が設置されており、乗客がどこからどこまで移動するのかが表示されていました。
杉山:車内でですか? すごいですね。
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