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» 2012年03月21日 15時37分 UPDATE

遠藤諭の「コンテンツ消費とデジタル」論:なぜこのタイミングで出版社を立ち上げたのか――南原竜樹さんの考え方 (4/5)

[遠藤諭,アスキー総合研究所]
アスキー総研

儲かっていない業界にこそ改善の余地がある

 その詳細については、もちろん『「絶対無理」なんて「絶対」ない!』を買って読んでいただくのが最もよいのだが、読みどころはやはり、彼ならではの淡々とした現状分析と、それに対する答えが正論であることだ。

 「チェッカーモーターズでは一ヶ月100台販売していました。在庫はその倍持っていなければなりません。一台を500万円として、200台の在庫を抱えている必要があったのです。さらに、自動車整備士や受付、営業など100人くらい人を雇わなければなりません。それに比べて、出版業界は、実を言うと閉鎖的に見えて、素晴らしく自由度が高いわけです」

 とかく閉鎖的と言われる出版業界だが、彼によるとこんなによい業界なのだそうだ。ちょっとまとめてみると、次のようなことだそうだ。

・取次と契約できれば、1人しかいない出版社でも全国で売ることができる

・書店の棚では、大手出版社と並んで置かれる

・購入する側は出版社を問わず手にとる

・車は一家に1、2台だが、本は何冊でも買う

・100冊の本を出す場合でも、社屋を100倍にする必要はない

・ネットで容易に宣伝できる時代が来た

・世界に出ることも視野に入れやすい

 そして、出版業界に参入する最大のポイントは、周囲から「不況」あるいは「逆風」と考えられていることだという。「儲かっている業界は、儲かる仕組みで成功しているので、改善点を見つけるのは難しい。それに対して、儲かっていない業界というのは、すでに現在の方法ではうまくいかないということが見えているわけです。ビジネスの仕組みのどこかに、改善の余地が必ずあります」。それを見つけて、改善できれば、儲かっていない業界の中でもビジネスができる。

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