なぜマスコミは“政治家の言葉狩り”を続けるのかちきりん×中田宏、政治家を殺したのは誰か(3)(5/5 ページ)

» 2012年01月13日 08時05分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]
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ちきりん:何度も言いますが、新聞記者は古い先輩たちから「オレは若いころ、大臣のクビを取った」と威張られ続け、それを記者の勲章か目標のように信じ込んでしまっている。

中田:そうした企業カルチャーはあるでしょうね。また暗黙の仕組みとして成り立っているとも感じています。

 マスコミの役割って何なの? と聞かれれば、僕は「権力者をチェックする」ことだということは認めます。しかし目的と手段を勘違いしている人が少なからずいる。目的のために手段があるわけですが、今のマスコミは手段のために目的があったりする。

 政治家の言葉尻であったり、ささいなミスであったり――。そうしたことを書くことが目的化している。それを書くことで、社内で評価されているのかもしれません。記事になりやすいわけですから。

ちきりん:なるほど。

続く

2人のプロフィール:

ちきりん

兵庫県出身。バブル最盛期に証券会社で働く。米国の大学院への留学を経て外資系企業に勤務。2010年秋に退職し“働かない人生”を謳歌中。崩壊前のソビエト連邦など、これまでに約50カ国を旅している。2005年春から“おちゃらけ社会派”と称してブログを開始。著書に『自分のアタマで考えよう』『ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法』がある。Twitterアカウントは「@InsideCHIKIRIN

 →Chikirinの日記

 →中田宏さんと対談しました!(Chikirinの日記)

中田宏(なかだ・ひろし)

衆議院議員(3期)を経て、平成14年に横浜市長に就任し2期務める。横浜市の累積借入金を約1兆円純減、ごみ排出量40%削減、市営地下鉄、市営バス、水道局の黒字化など数々の改革を通し市財政を再建。現在、青山学院大学院などの客員教授を務めながら、全国各地での講演活動や本の執筆など多方面で活躍中。

2011年10月に発売された政治の利権構造を赤裸々に綴った『政治家の殺し方』(幻冬舎)は、Amazon.co.jpのベストセラー1位を獲得するなど好評を博している。


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