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ちきりん:今の時代はネットを使って、自分の考えを発信することができます。例えば、中田さんのTwitterアカウントのフォロワー数は8万人ほど。もし中田さんが横浜市長をされていたときに、さまざまな誤解やトラブルが起きていることをTwitterなどで明らかにしていれば、有権者も理解を示してくれていたのではないでしょうか。
それとも裁判が終わらなければ、ネットで書くことも難しかったのでしょうか。例えばサンディエゴへの出張の話(関連記事)。横浜市とサンディエゴ市の姉妹都市提携50周年の式典の出席を中田さんがドタキャンし、キャバクラで豪遊したと報じられました。
しかし事実は全く違うわけですよね。サンディエゴで山火事が発生して事態が収束しなかったため、先方への迷惑などさまざまな観点からギリギリまで検討した上で出張を断念された。今回、私は本を読んで初めて知りましたが、当時「こうした事実がありますよ」と、なぜ横浜市役所のWebサイトなどに書かなかったのでしょうか? 記者クラブで発表しても書いてくれないのなら、個人で高い発信力、影響力のある人に依頼してプロモーションすればよかったのではないかとも思うのですが。
中田:そうしたことはやっていました。やっていましたが、多勢に無勢でした。
ちきりん:そうなんだ……。
中田:出張に関して言えば、危機管理監という専門家と国際室の室長と私の3人がギリギリまで「可能であれば行きたい」という話をしていました。危機監理官は「米国で緊急事態が発令されているときには『行くべきでない』」として、「リーダーとしてそこに立ち入るべきでない」という主張が前提でした。
一方の国際室の室長は「カリフォルニア州に緊急事態宣言が出ているが、サンディエゴ市を見てみても、火の回っている地域とそうでない地域がある。サンディエゴ市の中心は現時点では大丈夫。行けるものなら行って欲しい」というスタンスでした。
出発前日のギリギリまで話し合いましたが、山火事は収まらなかった。また非常事態宣言は解除されていなかった。こうした環境を考慮して「行くべきではない」という結論を出したわけです。
このことについては、いろんなところで説明しました。記者会見でも説明しましたし、マスコミ各社の取材にも応じたし、議会にもそう説明しましたが、多勢に無勢なんですよ。
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