インモビ・ジャパン天畠社長に聞く、モバイル広告市場の未来(4/4 ページ)

» 2011年11月11日 08時00分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]
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違うプレイヤーの参入が脅威

――これから勝ち残っていくためのポイントは何ですか?

 明らかにグーグル(アドモブ)との差別化はしていかないといけません。今まで通りグローバルに展開していくこともやり続けないといけない。

 グーグルとの差別化ポイントというと、インモビはPC広告はやらずに、もちろん次のデバイスも見ながらですが、あくまでモバイル広告を展開することにしています。また、リッチメディア広告でよりハイエンドに進んでいくという方向を目指しています。

 9月にソフトバンクから2億ドル(約154億円)の出資を受けましたので、それをテクノロジーに投資していく、もしくはテクノロジーを持っている会社に出資していくというのが今後の戦略ですね。

――ソフトバンクの孫正義社長はなぜインモビと組む決断を下したのでしょうか? 孫社長の戦略は「ナンバーワンとしっかり組む」といったものだと記憶しているのですが。

 僕も交渉の一部には入っていたので、いろんな会話は聞いているのですが、やはり「アジアが成長市場だ」と考えられているようです。そのため、アジアで圧倒的ナンバー1であるインモビを選んでくださったというのはありますね。また、アジアの次はアフリカだと言われているので、アフリカでも圧倒的にナンバー1であるインモビを選んでいただいたと。

 インモビとしても、中国市場にはソフトバンクが食い込んでいるので、そこでうまく連携していこうということですね。

――「こういうことがあったら怖いな」というリスクは?

 これからは次のステージに入るので、会社の規模に応じたコンプライアンスとかですかね。今は(スマートフォンに移行するという)パラダイムシフトの1年目とか2年目の入り口なので、このビジネスでさらに大きなパラダイムシフトが起こるリスクは僕は感じていません。

 ただ、一番これがあったら怖いというのは、資本力のあるプレイヤーが違う形でやってきた時は怖いかな。グーグルとも違ったプレイヤーが。

――Facebookとかですか。

 グローバルなサービスプレイヤーがインモビに関わる時は(ソフトバンクのような出資ではなく)多分買収することになると思うので、そうではなくてまずは良かったと思います。まあ、それはリスクなのかオポチュニティ(好機)なのかは分かりませんが。

――今後の展望について教えてください。

 私たちは2014年には次の図のような状況になるとイメージしています。これが現実になるには、いくつかのifがあるのですが。

インモビがイメージする2014年のモバイル環境(インモビ・ジャパン提供)

――現状はどのくらいなんですか。

 3G普及率は明らかに2割以下ですよね。スマートフォンは約2億台くらい。タブレットはちょっと分からないですね。モバイルインターネットユーザーは、少なくとも10億人弱はいるでしょうね。昔はモバイルインターネットの浸透率は日本が80%以上で、米国はせいぜい15%、中国は3%と言われていたのですが、明らかに変わっていて、米国は4割、中国も2割くらいあるんですね。

 昔の考え方とどんどん変わっているので、ちょっとホラっぽく見えるのですが、2014年で考えるとホラではないんです。

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