初心者にオススメの投資術――ポイントは3つ岡村流、30代から始めるグローバル投資術(2)(2/4 ページ)

» 2011年08月11日 08時00分 公開
[岡村聡,Business Media 誠]

キーワードは、分散・積立・インデックス

 ただ、米国にだけに投資をしていても、米国でも日本と同じようにインフレが起きてしまったら、インフレ対策として機能しません。そこで、出てくるキーワードが“分散”です。日本の個人投資家で海外投資をしている人には、米国REITだけとか、ブラジルレアル債だけとか、地域や商品が偏っている例が多いのですが、皆さんに取り組んでほしいのは、地域の観点からも、商品の観点からも分散されている投資です。

 図2に目標リターン別のポートフォリオをまとめました。目標リターンの決め方については、後ほど解説しますが、ここで紹介している、国内株式/先進国株式/先進国債券/新興国株式/新興国債券は、世の中で取引されている商品の中で、最も市場規模が大きく取引量も多い商品カテゴリです。

 個人での投資で最も避けなければならないのは、短期で大きな損失を出して、投資を辞めてしまうことです。取引量が大きければ、いろいろな見立ての市場参加者がいるので、値動きも比較的穏やかになるため、初心者にはこの5つの商品カテゴリへの投資がオススメです。各ポートフォリオとも、複数の商品カテゴリから構成されていることも、値動きリスクを軽減させます。今は、1つの商品を購入すれば、国内株式/先進国株式全体をカバーできる、ETFやインデックス投資信託といった商品が充実してきているので、そうした商品を購入しましょう。

目標リターン別のお勧めポートフォリオ(図2)

 2つ目のポイントは、積立です。他の買い物と同じく、投資商品も安く買うことにこしたことはありません。しかし実際には、価格が上がりメディアで騒がれてから、投資をしてしまい損をしてしまうことが多いのです。世間から見向きもされておらず、安い商品を購入するには勇気がいります。個人の方には、周囲と違う勇気ある行動をしようとしても難しいので、毎月同じことを繰り返せば、安いタイミングで多めに商品を購入できる積立投資がオススメです。

 図3にあるように、毎月一定金額を投資していけば、価格が安い時に多く購入できるドルコスト平均法(定期的に、継続して、一定金額ずつ購入する投資手法)の効果により、平均購入価格が安くなります。この5カ月の平均価格は1万400円ですが、積立てた場合は、1万70円と約3%も安く購入できます。

インデックス投信を使った毎月積立投資がオススメ(図3)

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