大企業の正社員、3割は会社を辞めるちきりん×城繁幸の会社をちゃかす(1)(1/7 ページ)

» 2011年05月06日 08時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

 ポスト大震災――ビジネスパーソンはどのように働いていけばいいのだろうか。「在宅勤務もできるのでは」といった新しい働き方を模索したり、「このまま今の会社で働いていて大丈夫なのか」と不安に感じている人もいるだろう。こうした問題について、覆面ブロガーのちきりんさんと人事コンサルタントの城繁幸さんが語り合った。この対談は全7回でお送りする。

私たちが置かれている状況は“外圧”

人事コンサルタントの城繁幸さん

ちきりん:東日本大震災後、計画停電があったり、東京の水道水に放射性物質が混ざっていると報じられたりして、直接の被災地ではない東京も含め社会が混乱しました。戦後の焼け野原時代ほどではないと思いますが、そのころの先輩たちの心構えを見習って、私たちも“ぐちゃぐちゃ”の環境に慣れながら日々の生活を送っていく必要があるのかなーと思っています。

城:震災の影響を受け、鉄道の運行状況が大きく乱れ、多くのビジネスパーソンは“帰宅難民”になりました。そして数日後には海江田大臣が「大規模停電になるかもしれない」と発表し、今度は帰宅する人が駅に溢れてしまった。

 交通機関がどれだけ混乱していても、多くのサラリーマンは出勤しなければいけないと思っている。しかし本当にオフィスにいなければいけないという人は1割ほどしかいない。震災後、多くの人は「ノートPCがあれば会社に行かなくてもいいのでは」と感じたはず。「職場に縛られながら働くというのはおかしいんじゃないか」と疑問を感じている人は多いのではないでしょうか。

 言葉は悪いかもしれませんが、今、私たちが置かれている状況は“外圧”のようなもの。それによって変化の歯車が回り始めているといった感じがしますね。

ちきりん:大地震があったのが3月11日の金曜日。日曜日(13日)の夜に東京電力は「電気が足りない」から、翌月曜日(14日)に電車が通常通りには動かないかもしれないと発表しました。その後、国土交通省が通勤を控えるようにといいだしたけど、夜の10時にそんなことを言われても、下っ端のサラリーマンは上司の指示がない限り、会社に行かざるを得ないですよね。

 そのため月曜日、多くのサラリーマンはいつもより2時間とか、早めに出勤しました。みんな本当に真面目です。いつもより遅く家を出て、「いつもと同じ時間の電車に乗ったのですが、間に合いませんでした」と言っておけばいいのに。(笑)。

 しかも必死で会社に行っても、上司から「今日はみんな、早く帰れ」とか言われてしまう。何日かそんな状態が続いて、さすがに多くの人は「コレ、会社に行かなくてもいいんじゃないの」「家でも仕事できるじゃん」と気付いたはず。1週間もやってるうちに、少なくとも2時間前に家を出る必要はない、遅れたら遅れたで仕方ないと思った人も多かったのではないでしょうか。

城:確かに。

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