以上のことをふまえ、「無視・賞賛・非難」という3つの段階で試されることを図にするとこうなるでしょうか。
さて、さらに発展して考えると、歴史上の偉人たちはもう1つ、4段階目のプロセスを経ているように思えます。つまり、下図に示したように、さらなる困難や妨害といった強力な下向きの力を受けながらも、しかし、同時にそれを凌駕する上向きの力を得ながら高みに上がっていく、それが偉大な人の生き様です。
で、この時、受ける上向きの力は、2段階目の時の「持ち上げ」とはまったく異なり、これは共感や同志という名の堅固なエネルギーの力です。偉大な仕事には、必ずそれを支える偉大な共感者や同志の力があったはずです。
私は4段階目にあって大きなことを成し遂げようとする人の姿を広野に1本立つ大樹のイメージでとらえます。その大樹は、高く立っているがゆえに、枝葉を大きく広げているがゆえに風の抵抗をいっそう強く受ける。しかしその大樹は、人びとの目印となり、勇気づけとなり、暑い夏の日には広い木陰を与え、冷たい冬の雨の日には雨をしのぐ場所を与えてくれる。そしていつごろからか、そこにつながる蹊(こみち)もできる。春や秋には、樹の下で唄や踊りも始まる。
そして、清史郎先生が樹を見上げてたたずみ、ひと言―――「いや、あなたは、よくぞ“ちやほやの法則”を乗り越えて、ここまで来ましたな(敬礼)」。(村山昇)
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