コラム
» 2011年03月08日 08時00分 UPDATE

「持ち上げといて、落とされる」――人は無視→賞賛→非難の3段階で試される (1/3)

ソフトバンクの携帯電話CMにあるように、「持ち上げといて、落とされる」のが世の常。そこで、人の成長過程を加藤清史郎センセイの法則と、野村克也カントクの名言から考えてみた。

[村山昇,INSIGHT NOW!]
INSIGHT NOW!

著者プロフィール:村山昇(むらやま・のぼる)

キャリア・ポートレート コンサルティング代表。企業・団体の従業員・職員を対象に「プロフェッショナルシップ研修」(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)を行なう。「キャリアの自画像(ポートレート)」を描くマネジメントツールや「レゴブロック」を用いたゲーム研修、就労観の傾向性診断「キャリアMQ」をコア商品とする。プロ論・キャリア論を教えるのではなく、「働くこと・仕事の本質」を理解させ、腹底にジーンと効くプログラムを志向している。


 ソフトバンクの携帯電話CMで今、「白戸家・授業参観」編が流れています。「こども店長」でお馴染の加藤清史郎クンが先生役となって教壇に上がり、「ちやほやの法則」なるものを説明します。

 清史郎先生が“ちやほや”と書かれた球を高く持ち上げ、ズトンと地面に球を落とす。その時の清史郎先生のセリフ―――「持ち上げといて、落とされる。高く持ち上げられるほど、落差が大きい(再び球を高くから落とす)。信じられるのは家族だけ……」

 (生徒にふんするマツコ・デラックスが)「気を付けなよ、先生」

 (清史郎先生)「あなたも」

 (さらにマツコ・デラックスが犬の白戸家お父さんに向かって)「あんたもよ」

 ……「さんざん持ちあげて、落とす」。かつてメディアで働いていた自分にとっては身につまされる真実ですが、このCMには思わず笑ってしまいました。

 メディアも世の中も、常に自分たちの関心を奪うキャラクターを欲しています。政治家にしろ、芸能人、文化人、スポーツ選手にしろ、ヒーローやスター、アイドル、ヒール(悪役)を何かしら生み続け、そして同時に消費し続ける。これは大衆心理に宿る習慣病のようなものなのかもしれません。

 一般人である私たち1人1人も、長い人生途上にあって、メディアに騒がれるかどうかは別として、時に周囲からちやほやされ、実力以上に持ち上げられるときがあります。また同時に、少し頭角を現すや否や、周囲の嫉妬などによってつぶされそうになる時があります。そんな時、私たちが留意しておきたい大事なことを、プロ野球選手・監督して活躍された野村克也さんはこう表現しています。

 「人間は、“無視・賞賛・非難”という段階で試されている」(『野村の流儀』より)

【段階1】「無視」によって試される

 誰しも無視されることは辛いものです。自分なりに一生懸命やっても、誰も振り向いてくれない、誰も関心を持ってくれない、話題にも上らない、評価もされない。組織の中の一歯車として働いていると、こうした感覚をよく覚えます。あるいは個人でブログを開設し、自分の意見や作品をネット発信して叫ぶのだけれど、まったく反応が来ない。

 また、就活中の学生が志望企業にエントリーをしても、応募は空を切るばかりで、自分という存在が何十回も否定される。これらはすべて「無視」という試練にさらされています。

 無視という名の試練は本人の何を試しているかといえば、それは「負けん気」です。偉大すぎる芸術家などは、その作品があまりに万人の理解を超えているので、時に本人の生前には誰もが評価できない場合が起こりえますが、一般人の場合であれば、たいてい自分の身の周りには目利きの人が多少いるものです。

 ですから、もし「無視によって、自分にやる気が起こらない」という状況にあれば、その時の答えは、負けん気を出して「人を振り向かせてやる!」という奮起です。その心持ちをしぶとく持ってやっていれば、ひょんなところから理解者、評価者は現れてくるものです。

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