ちなみに数字で表すと、E5系「はやぶさ」はE2系「はやて」に比べると、普通車座席の横幅は10mmの拡大(B席は25mm拡大)、座席の前後は60mmの拡大だという。10mmの差は小さいと思うが、ついさっきまでE2系に乗っていただけに、違いをはっきり体感した。
客室が落ち着いて、そろそろ発車の時刻である。隣の線路に停車していた「やまびこ」が逆方向に動き出したな、と思ったら違った。こちらが発車していた。動き出したときの衝撃がまったくなく、走り出したことに気づかぬほどスムーズな発車だ。構内のポイントを渡るときに少々振動があったものの、駅から脱すれば振動はなく、ただ景色の流れが速くなっていく。
だいたい、列車が動き出すときは「グングンと加速した」とか、心地よい加速感とか書くものだけど、E5系の場合は静かだ。こちらに加速感がなく、景色のほうが早く去っていく。なるほど、これが電気式フルアクティブサスペンションの効果かと感心した。時速200kmくらいまでは、ほとんど揺れを感じない。ただし、ある程度のスピードからは小さな振動が起きる。やがて「もうすぐ時速300km……時速300kmを達成しました」とアナウンスされた。
今回の試乗列車は、仙台を発車した後、郡山駅と那須塩原駅に停車した。たぶんこれは予定通りで、現行ダイヤで時速300km運転を継続すると、先行する「MAXやまびこ140号」に追いついてしまうからだろう。しかも今日は強風で各列車に遅れも出ているという。もちろんE5系も強風区間で徐行しているに違いない。でも、この2駅の停車のおかげで、私たちは時速300kmへの加速を3回も経験できた。もちろん3回ともスムーズだ。
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