だって、そもそもの目的が角界の改革だとしたら、やっぱり密室政治からは脱却してほしいじゃないですか。いつの間にか貴乃花派閥が実権を握って既得権益化していくところは見たくもありません。なので、ぜひここは「GTO」に登場してもらいましょう。いや、反町隆史さん演じるグレート・ティーチャー鬼塚ではなくて、「明るい派閥」のための方法論です。すなわち、「Goal-oriented(目的を決める)」「Time-bound(時限的な組織とする)」「Open(オープンにする)」の頭文字です。
まずは、その派閥が何のために存在するかの目的を決めましょう。それも、「角界の改革」とかのキーワードだけではなく、「何年後にはこんな姿」というのが、目に見えるくらいまで描いてほしいですね。
次は、派閥を固定化せず、時限的な組織としましょう。というのは、当初は高い志を持って始めた運動がいつの間にか形骸化して、その存続が目的に代わってしまうというのはよくある話。
これを避けるためには、「●年●月で解散する」とか、「●●の実現を持って発展的解消を遂げる」などを先に決めてからスタートするのです。
そう言えば、最近は法律なんかでも「時限立法」という執行期限が決まっているものもあって、そんなイメージでしょう。
最後はオープン化。これにはいろんな意味合いがあって、議論や意思決定の過程をオープンにするという意味もあれば、人の出入りもオープンに、あまり身内だけで固まらず、さまざまな人を受け入れる度量を見せる、ということでもあります。もちろん、派閥の趣旨に賛同しない人は排除する必要がありますが、そのためにもGoal-orientedで、将来のビジョンをキッチリ決めておく必要がありますね。
ちなみに、この3つの観点から貴乃花親方の現状を勝手に評価すると、まずGoal-orientedは×(ペケ)。問題意識や危機感は何となく伝わってくるものの、じゃあ何を目指しているかはハッキリと伝わってこないので、もうひと頑張り。
Time-boundは、そこまでの段階ではないので不明。一方、オープン化は実は意識しているのではないかとも思います。というのは、上記の6人の親方を見てほしいのですが、実は貴乃花親方と同世代は現役名では貴ノ浪関と貴闘力関だけ。ほかの4人は10歳以上離れている人もいて、年齢という観点からはオープンになっているな、と評価します。なので、ほかの一門から、もっと若い親方が貴乃花親方に賛同するような体制を整えられれば、理事に当選というのも意外とあるかもしれません。
決戦は2月1日の理事選、ひょっとしたら本場所よりも注目です。(木田知廣)
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