破門のピンチに陥った貴乃花親方を救う「GTOの法則」(1/3 ページ)

» 2010年01月21日 08時00分 公開
[木田知廣,INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール:木田知廣(きだ・ともひろ)

シンメトリー・ジャパン代表。米国系人事コンサルティングファーム、ワトソンワイアットで、成果主義人事制度の導入に尽力。欧州留学を経て、社会人向けMBAスクールのグロービスの立ち上げをリード。2006年、経営学の分野で有効性が実証された教育手法を使い、「情報の非対称性」を解消することをミッションとしてシンメトリー・ジャパンを立ち上げる。


 日本相撲協会の役員改選をめぐって、貴乃花親方が理事に立候補することが注目を集めています。というのは、これまでの理事選はほとんど波風が立たなかったから。定員10人の理事を選ぶ選挙は過去あまり例がなく、事前に誰が理事になるか暗黙の了解が出来ていたのでしょう。

日本相撲協会公式Webサイト

 サラリーマン社会で言えば、誰が役員になるかは密室の中で決まっているようなもので、組織風土として極めて政治性が高いとの想像が成り立ちますね。そう考えると貴乃花親方の行動も、共感を持って応援したくなる人も出てくるのでは?

 だって、人が1人亡くなった体罰問題に加え、薬物汚染、横綱の品格問題と、相撲界は問題山積み。「今ここで変わらないと、とんでもないことになってしまうのではないか」と組織変革の狼煙(のろし)を上げたのでしょう。

 ただ、既得権を持った人たちが強いのは、これまたビジネス界、角界を問わずすべての組織に共通するところ。事実、貴乃花親方が理事戦に出馬すること自体が組織の和を乱すと問題視され、彼を支持するほかの親方とともに一門から破門されかねないくらいの勢いです。なんだか、中間管理職の悲哀を感じてしまいますね……。

 会社のために変革に立ち上がったは良いものの、経営陣からにらまれて、「地方の営業所へ飛ばすゾ、オラ」と恫喝(どうかつ)を受けているような……。そう言えば、最近破たんしたあの会社でもそんなことがあったと『沈まぬ太陽』で描かれていますね。

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