am/pmはファミリーマートに転換――コンビニ業界は3強時代へ会見詳報(5/5 ページ)

» 2009年11月14日 10時40分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]
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今後のM&Aは

――これまでにも百貨店やスーパーなどで規模を拡大するという話はかなりありましたが、業績を見る限り、必ずしも成功しているわけではないと思います。今回の統合はそれと何が違うのか、成功する自信の根拠を教えてください。

上田 確かにおっしゃる通りで、店舗数を単純に増やせばいいとは思っていません。ただ、ファミリーマートはこの7年間、出店有力地域が減少していく中で「都心部に集中して出店していくんだ」と申し上げてきました。東京は最大のマーケットで、1店舗あたりの来店客数も最大です。規模の拡大ということだけではなく、有力なマーケットで店舗網を固められるということで今回のディールを判断しました。

――以前、業界2位(ローソン)との再編についておっしゃっられていたと思いますが、そのことの現在のご見解を教えてください。

上田 「業界2位と一緒になることがありうる」(と上田氏が言った)と書いた新聞や活字がありましたが、その(言葉の)前後が全部抜けているんですね。

 私が申し上げたのは、「先進国においてあらゆる業種、業態は、お客さまから見たら2つのブランドがあればいい。現状、数多くのコンビニチェーンが存在する中、2つといったらどうなるだろうか。トップチェーンはまず1つ(セブン&アイ・ホールディングス)決まっている。2番手以降はお客さまからすると、言葉は悪いですが『その他コンビニ』と言われても否めないところがまだあるのではないか。従って、今後の業界再編では、何が起こっても不思議ではない」と言った後に、「じゃあ、エルさん(ローソン)とでも(統合するの)ですか」と聞くので、「ありえますね」と言っただけなのです。ですから、まったくお話も交渉もしていません。

――ファミリーマートは今米国で事業展開していますが、何年経っても店舗数が増えていません。これを機にエーエム・ピーエム・インターナショナルにも何らかのお話を持っていこうといった考えはあるのでしょうか?

上田 ご指摘のように米国の店舗は今、拡大を凍結しています。しかしその中で、米国でのエーエム・ピーエム・インターナショナルとの連携という話は今のところ一切出ていません。

――上田社長としては久しぶりのM&Aだと思うのですが、ずっと「M&Aに前向きだ」とおっしゃられていて、こうして大型案件に合意できたということの感想はいかがですか?

上田 「非常にうれしい」というひと言ですね。ただ、これから加盟店の方々やエーエム・ピーエム・ジャパンの社員のみなさんと一体化を図っていく、という大きな作業が待っています。

――今後もM&Aには積極的なスタンスを取り続けられるのでしょうか?

上田 お話があれば積極的に進めていきたいと思っています。

写真撮影では笑顔を見せたものの、会見中は終始固い表情だった両社長
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