am/pmはファミリーマートに転換――コンビニ業界は3強時代へ会見詳報(3/5 ページ)

» 2009年11月14日 10時40分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]

2014年度には30億円の利益を見込む

 統合にともなう収益改善効果ということでは「日商の改善効果」「インフラの統合効果」の大きく2つがあります。日商の改善効果は、ブランドの統一やファミリーマート商品の導入、ファミマTカードや電子マネー、Famiポートの導入などで、保守的に見ても約10%の日商向上が果たせると考えています。インフラの統合効果については、物流やシステム、商品の統合完了後に年間約6億円の効果が出ると考えています。

 詳細を説明すると、日商改善効果では今申しました商品を導入するほか、改装効果や一部店舗の閉鎖などで、エーエム・ピーエム・ジャパンの加盟店の収益力強化を図っていきたいと考えています。ブランド統合は2012年2月までに進めていきます。

 インフラの統合効果については、物流については移行期間にはエーエム・ピーエム・ジャパンが今使っている配送センターも併用しますが、店舗の切り替えによってファミリーマートの配送センターを使用することも可能になります。最終的には両社の拠点を効率的に見直して、センターの稼働率や物流効率の向上を見込んでいます。

 システムについては、店舗を切り替えた後に改装を計画しています。改装にともなって、システムの切り替えを行い、統合していきます。移行期間には両社のシステムが同時稼働しますが、この平行稼働期間は極力短縮して、二重のコストの圧縮を図っていきたいと考えています。

 商材については、登録商品の統一化を図ります。商品調達力や生産効率を向上させることによって、仕入れ条件や値入率※を改善させます。これらすべてのインフラ機能の整備については、店舗の切り替えと合わせて、先ほど申しました2012年2月までに進めていきます。

※値入率……商品の仕入原価と売価の差額の仕入原価に対する比率。

 統合にともなう財務へのインパクトは、利益貢献については首都圏の優良店舗の増加、統合に伴う収益改善効果で、2011年度には10億円、2014年度には30億円と考えています。店舗改装を中心とした投資総額は2年間で80億円、並びにブランドの切り替えをやっていくので、2年間で90億円ほどの支出を見込んでいます。これをまとめたものが下図です。

 最後にファミリーマートの今後の成長戦略です。当社はクオリティにおける業界のリーディングカンパニーを目指しており、「個店競争力の強化」「商品力の強化」「高質店舗網の構築」「海外展開」を基本戦略として、加盟店とともに取り組んできました。エーエム・ピーエム・ジャパンとの統合によって、主に「高質店舗網の構築」というポイントがさらに強化できると考えています。本件の実施によって国内コンビニエンスストアの基盤をより強固なものとして、今後の海外展開を加速化させ、さらなる飛躍につなげていきたいと思います。

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