am/pmはファミリーマートに転換――コンビニ業界は3強時代へ会見詳報(1/5 ページ)

» 2009年11月14日 10時40分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]

 コンビニエンスストア3位のファミリーマートは11月13日、同7位のエーエム・ピーエム・ジャパンを買収すると発表した。年末までに親会社のレックス・ホールディングスからエーエム・ピーエム・ジャパンの全株式を120億円で取得、2010年3月をめどに吸収合併する。

 エーエム・ピーエム・ジャパンの店舗は、2012年2月までにファミリーマートのブランドに転換。8月末時点のファミリーマートの国内店舗は7601店で、エーエム・ピーエム・ジャパンは1119店。統合後はまず9000店規模を目指し、業界1位のセブン-イレブンや同2位のローソンを追撃する。

 ファミリーマートの上田準二社長、加藤利夫常務、エーエム・ピーエム・ジャパンの本多利範社長、宇田建城執行役員が参加した記者会見の模様をお伝えする。

東京都でトップチェーンに

ファミリーマートの上田準二社長

上田 コンビニエンスストア業界の歴史は30年になり、現在、出店できるような有力マーケットは数少なくなり、規模拡大は限定的にしかできません。コンビニエンスストア業界の再編では、加盟店との問題やFC(フランチャイズ)契約の中身の違いなどの課題はありますが、私は「基本的にはワンブランドでやるのが一番シナジーが出る」と申してきました。こうした中、関係各社と相当の期間、討議を行い、今般、関係各社のご理解をいただいて、このような合意に達することができました。

 ファミリマートの国内店舗数は7600店、そしてエーエム・ピーエム・ジャパンの保有する1100店を単純に合計すると約8700店の規模となります。特に魅力的なのは、エーエム・ピーエム・ジャパンが首都圏で強烈なドミナントを持っていることです。その中でも東京都のエーエム・ピーエム・ジャパンの店舗数とファミリーマートの店舗数を合算すると、東京都トップチェーンとなります。

 この統合効果で得られるものは、規模の拡大による仕入れ調達のスケールメリットだけではありません。ファミリーマートがこれまでつちかってきたチェーンオペレーションのノウハウ、商品開発力、物流インフラ、店舗システムなどの提供、そして本部が合体することによる経営効率の強化、コストダウンなどが両社加盟店の事業活動拡大に資すると判断しています。

 今後はエーエム・ピーエム・ジャパンの加盟店のみなさまにこの趣旨をご理解いただき、目指すべきお店の姿を共有し、新たなFC契約を結んだ上で、1店舗1店舗の競争力を高めていければと思っています。

ファミリーマートの支援で加盟店の売り上げ、利益を回復

エーエム・ピーエム・ジャパンの本多利範社長

本田 ファミリーマートの上田社長からお話がありました通り、私たちの親会社レックス・ホールディングスが保有する当社の100%株式をファミリーマートさんに譲り受けいただくことが決定しました。

 私がエーエム・ピーエム・ジャパンの社長に就任したのが6月です。約5カ月間、加盟店のみなさまと経営改革を一生懸命行ってきました。お店のクリンネスや接客の徹底、商品アイテム数の絞り込み、スーパーバイジングの変更など、さまざまな改革を行い、一定の成果はあがりました。しかし、コンビニエンスストア業界の大きな変化のため、特にタスポ効果が終わった後は、非常に厳しい経営環境状況となっています。「エーエム・ピーエム・ジャパンの経営資源だけでは、加盟店をしっかり守りきれない」と判断して、ファミリーマートに私たちの加盟店のご支援をお願いすることになりました。

 先ほど上田社長がお話になった通り、ファミリーマートグループの経営資源、物流、商流、システム、特に資本の増強による店舗改装などによって、加盟店の売り上げや利益を守るということが私たちの一番の考えです。私たちの加盟店の立地は都心に集中しています。ファミリマートの経営資源を供することによって、加盟店の売り上げや利益は大きくアップすると私は考えています。

 2010年3月には両社の合併も計画されており、加盟店のメリットをより享受できると考えています。今後とも両社の加盟店がWINWINの関係を実現できるように、円滑な運営につとめ、お客さまの満足度向上や加盟店の収益向上を目指していく所存です。

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