インタビュー
» 2009年11月06日 08時00分 UPDATE

あなたの隣のプロフェッショナル:欧州パッケージツアーの仕掛け人――クオニイ・ジャパン 松日樂優紀さん(後編) (1/5)

海外パッケージツアーを手配するクオニイ・ジャパンの松日樂優紀さん。前編では仕事の内幕を紹介したが、後編では彼女がその仕事に就くに至った経緯などについて尋ねていく。

[嶋田淑之,Business Media 誠]

「あなたの隣のプロフェッショナル」とは?:

人生の多くの時間を、私たちは“仕事”に費やしています。でも、自分と異なる業界で働く人がどんな仕事をしているかは意外と知らないもの。「あなたの隣のプロフェッショナル」では、さまざまな仕事を取り上げ、その道で活躍中のプロフェッショナルに登場していただきます。

日々、現場でどのように発想し、どう仕事に取り組んでいるのか。どんな試行錯誤を経て今に至っているのか――“プロの仕事”にロングインタビューで迫ります。インタビュアーは、「この人に逢いたい!」に続き、戦略経営に詳しい嶋田淑之氏です。本連載では、知っているようで知らない、さまざまな仕事を取り上げていきます。


 日本人がよく参加する海外へのパッケージ・ツアー。販売している国内の旅行会社がそれをすべて企画・運営しているものだと思われがちだが、実際には、現地情報に精通した「ランドオペレーター」と呼ばれる海外の旅行会社によって商品化され、ツアー中も彼らによってオペレーションされているケースが多いという。

 こうした比較的知られることのない分野で、26歳ながらプロとしての誇りと自負を持って働いている日本人女性がいる。松日樂(まつひら)優紀(ゆうき)さんだ。彼女は、高い商品力で定評のあるスイスの老舗旅行会社クオニイの日本法人クオニイ・ジャパンのスタッフとして、スイスをはじめとした欧州各国への日本からの新しいパッケージツアーを企画・手配するとともに、実際のツアーオペレーションも担当している。

 前編ではすでに稼働しているツアー案件を成功させるために日々奮闘する姿や、新しいツアープランを商品化するため各種手配に奔走(ほんそう)する様子を中心にお伝えした。後編では、そんな松日樂さんがどのようないきさつで今の仕事を志し、高いプロ意識を持つに至ったのか。また今後の展望についても聞きたいと思う。

 →欧州パッケージツアーの仕掛け人――クオニイ・ジャパン 松日樂優紀さん(前編)

ah_matusan.jpg クオニイ・ジャパンの松日樂優紀さん

ダンスと英語に傾倒した学生時代

 松日樂さんは1983年、東京都町田市に生まれた。てんびん座のB型。両親はともに地方公務員で弟が1人。

 「うちは家族全員がB型という珍しい家庭で、みんなマイペースでゴーイングマイウェイな性格なんですよ。私がいつも好きなことを精一杯することができるのは、好奇心とチャレンジ精神旺盛な家族のおかげです」

 小学校4年生からは中学受験のため、学習塾に通った。

 「でも、都立八王子東高校の文化祭に行った時、4歳年上のいとこがダンス部でパフォーマンスする姿に憧れて、『この学校に入りたい』って思ったんです。『地域で一番の進学校であるこの高校を目指すのであればいいだろう』と両親も賛成し、中学受験は結局やめちゃいました(笑)」

 早くもマイペースぶりを発揮した松日樂さんであったが、すでにこの頃から今日の彼女へと結びつくファクターが現れはじめる。

 「小学校時代から父の勧めで英会話スクールに通っていましたが、中学2年生の夏休みにカナダへ家族旅行に行ったんです。その時の現地ガイドさんが英語でテキパキと仕事をする姿をカッコイイと思って、それ以来、英会話にさらに熱心に取り組むようになりました」

 志望通り八王子東高校に進学した彼女は念願のダンス部に入部、ジャズダンスに傾倒する。

ah_iion.jpg イーオンのスタッフと

 「ダンス部の活動に力を入れつつ、同時に高校3年間ずっと(英会話スクールの)イーオンに通いました」

 その通い方は、実に松日樂さんらしいものだった。普通の受講生であれば、英会話スクールのカリキュラムを真面目に消化することだけを考えるだろうが、彼女は違ったのである。

 「毎回、授業開始の2時間くらい前にスクールに行き、ロビーのソファに座って高校の英作文や長文読解などの宿題をやっていました。分からないことがあれば、タイミングを見計らって先生をつかまえて、英語で質問していました。そうすれば、授業前にも講師といっぱい英語で話せるし、学校の英語の勉強にも役に立つ。おかげで授業だけでは得られない会話力が身についたと思います。とっても良い先生方に恵まれてラッキーでした」

 海外への留学やホームステイも、高校時代に体験したのだろうか?

 「はい。高校2年生の夏休みに、ロンドンにホームステイに行きましたが、とても素晴らしい体験でした。そのホストファミリーとは、今でもお付き合いしています」

 こうした努力が功を奏して、英語の実力はめきめき上がっていき、高校3年生に上がる頃には「(もう1カ国語マスターして)トリリンガルになる!」と宣言するほどだったという。

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