コラム
» 2009年09月04日 11時17分 UPDATE

神尾寿の時事日想・特別編:地域みんなで使えるICカード「めぐりん」の挑戦 (1/4)

高松市からスタートし、四国全体への展開も狙う地域ICカード「めぐりん」。その展開の拠点となっているのが大規模ショッピングセンターのイオンだ。

[神尾寿,Business Media 誠]

著者プロフィール:神尾 寿(かみお・ひさし)

IT専門誌の契約記者、大手携帯電話会社での新ビジネスの企画やマーケティング業務を経て、1999年にジャーナリストとして独立。ICT技術の進歩にフォーカスしながら、それがもたらすビジネスやサービス、社会への影響を多角的に取材している。得意分野はモバイルICT(携帯ビジネス)、自動車/交通ビジネス、非接触ICと電子マネー。現在はジャーナリストのほか、IRIコマース&テクノロジー社の客員研究員。2008年から日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)選考委員、モバイル・プロジェクト・アワード選考委員などを勤めている。


 東京や大阪など大都市圏で、FeliCaカードやおサイフケータイをかざさない日はなくなりつつある。Suica/PASMOなど交通ICカードから、nanacoやiDなどの電子マネー、各種ポイントカードまで都市生活の中で、“カードやケータイをかざして使う”は日常的な光景になった。非接触ICを用いた各種サービスがここまで生活に浸透している都市は、世界的に見ても希有であろう。

 しかし、その一方で、人口密度のそれほど高くない地方中堅都市では、FeliCaなど非接触ICのサービスが人々の生活に根付いているかというと必ずしもそうではない。人口50万人以下の地方都市では、東京や大阪、福岡のように交通ICのみをけん引役としたFeliCaサービスの利用促進には限界があり、地方都市ならでは「FeliCaサービスの普及・利用促進モデル」が求められている。

 そのような中で、地方中堅都市向けのサービスモデルとして注目されているのが、香川県高松市で展開中の地域ICカード「めぐりん」だ。これはフェリカポケットマーケティングのCRMパッケージ「FeliCaポケット」を用いて、地域の活性化とユーザーの利便性向上を目指すというもの。2009年4月から「めぐりんカード」の発行が始まり、同年6月にはイオンと連携した電子マネー一体型カード「めぐりんWAON」の本格展開が始まっている。

 高松市からスタートし、四国全体への展開も狙う「めぐりん」とはどのようなサービスなのか。香川県高松市からレポートする。

めぐりんサービスとは?

 めぐりんは、地域内で共通のポイントやクーポンサービスなどが利用できる「地域ICカード」だ。運営は地元企業であるサイテック アイ、イノベイト、ITCの3社が設置しためぐりん事務局があたり、それをフェリカポケットマーケティングが技術支援する形を取っている。この運営スキームについてフェリカポケットマーケティング社長の納村哲二氏は、「地域ICカード事業は、それぞれの地域を支える地元企業が主役で、その方が成功する」と話す。

ah_P1020503.jpg フェリカポケットマーケティング社長の納村哲二氏

 めぐりんの発行枚数は約2万2000枚(2009年7月末時点)。一見すると少なく感じるが、サービス開始が4月後半であることと、高松市の人口が約40万人であることを鑑みると、順調なスタートを切っていると言えるだろう。

 カード種別は電子マネー機能のない「めぐりんカード」、イオンの電子マネーと一体化した「めぐりんWAON」、そしてビットワレットの電子マネーと一体化した「めぐりんEdy」の3種類。このうち発行枚数の大半を占めるのが、「めぐりんWAON」だという。実際、筆者の取材中も街で見かけた利用者すべてが、めぐりんWAONカードを使用していた。

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