コラム
» 2009年08月08日 07時00分 UPDATE

杉山淳一の+R Style:第12鉄 名古屋地下鉄めぐり (1/4)

日本の鉄道に全部乗りたいと願う“乗り鉄”の筆者だが、イマイチ楽しさが分からないのが、車窓が真っ暗な地下鉄。地下鉄の楽しさとは何なのか? その答えを、名古屋の地下鉄で探してみた。

[杉山淳一,Business Media 誠]

 私も含めて「日本の鉄道に全部乗ろう」という乗り鉄は少なくない。そんな乗り鉄にとって困った路線は地下鉄だ。最大の楽しみの車窓は真っ暗。運転席の後ろもスクリーンで塞がれてしまう。しかし今回は「楽しく乗ってみよう」とがんばってみた。ターゲットは名古屋市営地下鉄だ。

ay_ng00.jpg 今回のルート(GoogleMapsで、筆者による地図のコメントと説明を確認できます)

地下鉄の魅力は景色がないこと?

 映画館で『サブウェイ123』の予告編を観た。ニューヨークの地下鉄がジャックされ、犯人グループは多額の身代金を要求する……。あれ、子どもの頃に観た『サブウェイ・パニック』のリメイクではないか。インターネットで調べたらその通り。日本では1975年に公開された作品をリメイクしたという。邦画の人気タイトル『踊る大捜査線』からスピンオフした映画『交渉人 真下正義』も、おそらく『サブウェイ・パニック』のオマージュ作品だ。『サブウェイ・パニック』は犯人のちょっとした仕草が事件解決のカギとなり、捜査官の会心の笑みが強く印象に残った。さて、今回はどうだろう。まさか同じ手を使うとは思えないし、30年以上経てば地下鉄の保安システムも大きく変わったはず。インターネットや携帯電話がある時代の、新しいサスペンス作品に期待したい。

ay_subway123.jpg デンゼル・ワシントンとジョン・トラボルタ主演の映画『サブウェイ123』。8月1日から1カ月間、キャンペーン用のラッピングライナーが都営地下鉄大江戸線を走っている

 映画に登場する地下鉄は、サスペンスやパニック、ロマンスの背景としても大人気だ。しかし私のような「乗り鉄」には扱いに困る。駅に着くまで車窓は真っ暗だし、運転席の後ろに立ってもスクリーンで目隠しされてしまう。楽しみを探すとすれば、最後尾の運転台から後方を眺めるとか、車内の貫通扉の向こうへ目を向けるくらいだ。貫通扉越しの景色は、線路が曲がったり上ったり下ったりすると、電車がそれに合わせてくねくねするわけで、蛇の体内にいる気分を楽しめる。もっとも、混雑した車内では見通せないから、早朝深夜の空いている時間に限られた楽しみともいる。

 本連載の担当Yさんは鉄道ファンではないが、地下鉄が大好きだという。「景色が見えないからこそ、トンネルの中をシュルシュルと走る様子が好き。路線図がカラフルで、乗り換えルートを考えているとパズルみたいで楽しい」。なるほどそう思うと、漆黒の闇を走る地下鉄電車は宇宙船で、駅を宇宙ステーションに見立てるとSF的な気分になれそうだ。

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