インタビュー
» 2008年12月06日 07時00分 UPDATE

嶋田淑之の「この人に逢いたい!」:ハワイの地ビール、オレゴンワインを通して日本に伝えたいもの――禎・アレン・ゴードンさん(前編) (3/4)

[嶋田淑之,Business Media 誠]

知られざるオレゴン・ワインの魅力を日本に伝える

 オレゴン州は、多くの日本人にとっては、それほど馴染み深い土地ではない。米国西海岸、カリフォルニア州の北に位置し、シアトルのあるワシントン州の南に当たる。「シリコンバレー」の北端からシアトルへと続くIT集積地帯「シリコンフォーレスト」の中心としても知られる。ナイキをはじめ、世界的企業も多数、本社を置いているエリアだ。また、鮭の世界的漁場であると同時に、コロンビア川はウィンドサーフィンの世界的メッカでもある。

ay_hawai08.jpg オレゴン州は米国西海岸に位置し、カリフォルニア州の北に当たる。図の「A」の印があるのが州都、ポートランド(Google Mapより)

 州都はポートランド市。どちらかと言えば、北海道のような気候とも言われるオレゴンだが、実は「ハワイの9番目の島」とも呼ばれているという。

 ハワイにはハワイ島、マウイ島、オアフ島、カウアイ島など8つの島がある。“9番目の島”とはすなわち、オレゴンはハワイと一体であるという親近感の表われに他ならない。なぜなのだろうか?

 「オレゴンは気候以外、ハワイにそっくりなんですよ。それで、ハワイからオレゴンに移り住む人の数がとても多いんです」

 なるほど、ハワイの人々を特徴付ける「アロハスピリット」に限りなく近い心をオレゴンの人々が持っているということなのだろう。

 2004年、彼は、オレゴンワイン(ピノノワール)を日本に紹介・普及するためのビジネスに取りかかる。

 「カリフォルニアワインは1950年ごろからビジネスとして発展しましたが、オレゴンは、1970年代から本格的に発展しており後発です。それに加えて、カリフォルニアではひとつひとつのワイナリーが大きいのに対して、オレゴンでは、独立系の中小零細が主体です。そういうこともあって、カリフォルニアワインは世界的な知名度を得ていますが、オレゴンワインは、まだまだ自国内消費が主体になっています」

 しかしオレゴンワインには、カリフォルニアワインにはない魅力がある、とゴードンさんは熱く語る。「オレゴンワインの魅力を是非、日本を初めとする海外の方々に知っていただき、それをきっかけにして、オレゴンの自然・歴史・文化・ライフスタイルに触れてもらいたいと願っているのです」

ay_hawai09.jpg オレゴン州では、サケの生態に影響を与えない方法で作られたワインに「サーモンセーフ」の認定マークを与えている(http://www.salmonsafe.org/

 その魅力とは、オレゴンワイン独自の、「サーモンセーフ」と呼ばれるバランスの取れたエコロジー思想に基づいて製造された品質の高さ、そして価格の手ごろさである。

 「サーモンセーフというのは、文字通り“鮭にも安全”という意味です。昨今はオーガニックが全盛ですが、100%オーガニックのワインは必ずしもおいしいわけではないし、価格も高いことが多い。それ以上に問題なのは、有機栽培の過程で、それが川に流れ込んで鮭が大量に死んでしまうという例が多々見られることです。TPOに応じて、有機肥料と化学肥料を使い分けるバランスが大切だということです。オレゴン州の『サーモンセーフ』とは、そういう意味です」

 そうした思想に基づいて作られるオレゴンワインに対する客観的評価は? 「オレゴンワインの“ピノノワール”と“ピノグリ”は、最近、ワールドクラスのワインとしての評価を獲得しつつあります。一例を挙げると、『オレゴンピノノワールセレブレーション』というイベント(IPNC)が、毎年7月にオレゴン州で開催されるのですが、そこにはフランスをはじめ、世界各国のソムリエが集まってきます」

ay_hawai11.jpg オレゴンワインマップ

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