まずはやってみよう――第3回 FX(外国為替証拠金取引)とは1-3.FXの基礎講座(1/3 ページ)

» 2008年08月28日 12時00分 公開
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 FXは外貨預金などのほかの外貨投資に比べて耳慣れない言葉が多く、少々複雑に感じる部分もあるかもしれない。だが、取引の自由度が高く、いったん仕組みを理解すれば自分にぴったりの投資を楽しむことができる優れものだ。まずはその特徴をしっかり理解して、自分に合った投資スタイルを模索してほしい。

 →まずはやってみよう――第1回 そもそも為替取引って何?

 →まずはやってみよう――第2回 外貨投資のいろいろ

少ないお金でプロの運用

 FXは、元手の10倍から数100倍の外貨取引もできることが最大の特徴だ。こうした取引の仕組みをレバレッジといい、FXではレバレッジを使うことで「少額でも大きな取引ができる」。レバレッジとは「テコの働き」という意味で、小さいもので大きなものを持ち上げるイメージで使われている言葉である。

 例えば1万ドル分の外貨預金をする場合には、100万円以上の資金が必要だ。それがFXでは、おおむね数千円から10万円以下の「証拠金」があれば、1万ドルの外貨取引も可能となる。FX取扱会社によって証拠金の金額は異なるが、少ない資金でプロが取り扱うような大きな取引も可能となる。

 つまりFXでは、元手が一定でも通常の取引の何倍もの為替差益や金利を得ることができる。レバレッジは「○○倍」と表現され、1ドル100円の場合、10万円で1000ドル(10万円分)の取引をすることをレバレッジ1倍、2000ドル(20万円分)の取引はレバレッジ2倍という言い方をする。

 最大何倍までレバレッジが可能なのかはFX取扱会社ごとに異なっており、少ない元手で取引できる業者ほど、レバレッジが高い取引ができることになる。大きいところでは最大400倍程度までかけられるところもある。FXはレバレッジを効かせて取引金額を増やせば増やすほど、元手はそのままで大きな利益を手に入れることができることになる。しかし大きくレバレッジをかけた分だけ大きな損失を被ることもあるのだ。

FXの2つの利益

 FXも、外貨預金と同様に「為替差益」と「金利」という2つの利益を得ることができる。ただし、FXの商品としての仕組み上、外貨預金などとはいくつかの異なる点がある。

 まずは「為替差益」での外貨預金とFXの違いについて説明しよう。

 例えば1万ドルに投資する場合、外貨預金でもFXでも為替の変動に対する損益は同じである。仮に為替レートが1ドル100円から103円に値上がりした場合、利益は3円×1万ドル=3万円、反対に1ドル100円から97円に値下がりした場合、損失は3万円だ。 

 つまり、外貨預金で100万円の元手で1万ドルの取引をした場合、3万円の利益や損失は元手の3%にあたる。しかしFXは10万円以下で1万ドルの取引ができるため、10万円を元手と考えると、3万円の利益や損失はその30%にもなる。

 もう1つの利益、「金利」について説明すると、FXでは、スワップ金利と呼ばれるものを受け取ることができる。外貨預金のような「金利○%」というパーセンテージではなく、1日あたりの金額で表す方法が一般的だ。例えば米ドルに投資すると、1万ドルにつき1日に50円程度のスワップ金利が得られることになる(2008年7月29日FXCMジャパンの場合)。

 外貨定期預金の金利は、満期が来た時にまとめて受け取る仕組みだが、スワップ金利は「毎日」受け取ることができる。ただし、外貨預金の金利と異なりスワップ金利はその金額が約束されているわけではなく、日々、2国間の通貨の金利差などによって変動する。

スワップ金利一覧(1万通貨当たり)

米ドル ユーロ 英ポンド 豪ドル ニュージーランドドル スイスフラン カナダドル
スワップ金利 50円 180円 260円 190円 170円 55円 66円
(2008年7月29日FXCMジャパンのデータを基に作成)
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