株取引の場合、株式市場が開いている時間が平日の9時から15時なので、昼間働いている会社員の場合、取引できる時間がなかなかとれないかもしれない。しかし為替取引は24時間世界中で行われているため、FXも土日を除けばいつでもリアルタイムで取引することが可能となっている。
FXでも、日本市場は朝9時から始まるが、取引量が多いのはヨーロッパや米国市場で、ロンドン市場が動き出すのが日本時間で夕方17時頃、米国市場は21時頃に始まる。両方の市場が活発に動いている21時から24時は、まさに外貨取引が一番盛り上がるゴールデンタイムとなっている。日中に仕事がある会社員でも参加しやすい点でも、FXが人気の理由の1つとなっている。
FXの取引ができるのは、FX専業業者や証券会社。他には商品先物会社、ネット銀行などでも取引ができるところがある。FX取扱会社のほとんどはインターネット取引が中心だが、中には電話で取引できるサービスもある。
最初にFXの取り扱いを始めたのは、証券会社や商品先物会社である。その後FX専業の会社が登場し、外資系の会社やネット関連企業、ネット銀行なども参入を始めて、年々FXを取り扱う金融機関は増えている。
FX取扱会社には、「くりっく365」に登録しているFX取扱会社もある。これは、東京金融取引所が開いている公的な市場での「取引所為替証拠金取引」のことで、一般のFX取扱会社と税金の処理が大きく異なり、一般的に税金面で有利とされている。
ここまでFXの仕組みを説明してきたが、実際にFXの取引をする際の手法としては、大きく2つのスタイルに分けられるだろう。
取引スタイルの1つとして、FXでは、元手の数倍の取引をすることで大きな利益を狙うことができるが、この特徴を利用して為替差益で大きな利益を狙ってもよいだろう。
例えば元手10万円で100倍の取引、つまり10万ドル分の取引をした場合、米ドルが1円上がれば10万円の利益が出る。これだけ高いレバレッジであればたとえ50銭の値上がりでも5万円稼ぐことができることになる。もちろん50銭下がると5万円の損失となり元手は半分になってしまう。成功すると大きいが、失敗した場合も大きいという覚悟は必要だ。
2つめは、スワップ金利を狙うスタイル。高いレバレッジではらはらドキドキしながら投資するのは自分には向いていないという人には、長期間の運用でスワップ金利をふやすノンビリ投資がおすすめだ。多めの金額を証拠金として預けることでレバレッジを2〜3倍程度に抑えた投資が可能となる。例えば、54万円を入金しておくと、1万ドルの取引でレバレッジはおよそ2倍。年利回りに換算すると、3.38%のスワップ金利を受け取れる計算になる。
さらに心配症の人は、外貨預金と同額の108万円を入金して、レバレッジ約1倍の実質的に外貨預金と同じような使い方もできる。この場合でも、年利回りは1.69%程度と、金利面でもFXのほうが外貨預金より有利なのだ。
− | 外貨預金 | FX(レバレッジ1倍) | FX(レバレッジ2倍程度) |
---|---|---|---|
投資金額 | 108万円 | 108万円 | 54万円 |
金利/スワップ金利 | 1万6956円 | 1万8250円 | 1万8250円 |
利回り | 1.57% | 1.69% | 3.38% |
最後に、FXの特徴となっている取引手法を紹介しておきたい。
投資の基本は「安く買って高く売る」ことだが、FXでは「高く売って安く買う」ことにより利益を得ることも可能だ。詳しい仕組みはさておいて、値上がりだけでなく値下がりでも利益を得られる。つまり、利益を狙うチャンスがいつでもあるということだ。
この取引方法は基本的にはノンビリスワップ金利を狙う人には向いていない。どちらかといえばガンガン為替差益を狙う人に向いている方法で、なぜなら「売り」からの取引の場合、仕組み上スワップ金利を支払わなければならない。スワップ派のように長期間保有するスタイルだと、スワップ金利分のマイナスが発生してしまうからだ。
(C) MoneyLifeNavi. All Rights Reserved.
Special
PRアクセスランキング