インタビュー
» 2008年05月14日 11時20分 UPDATE

女性編集長のホンネ対談:2人の編集長が語る“Web媒体の魅力”――GLOBIS.JP×Business Media 誠 (1/4)

「GLOBIS.JPの編集長に初めてお会いしてビックリしました。だって、自分を鏡で見るような人だったんだもん……」。同じ年、経てきたキャリアも似た者同士の出会いが決め手で始まった、GLOBIS.JPと誠の記事の相互掲載。2人が考えるWeb媒体の魅力や可能性、そして女性編集長として思うこととは?

[聞き手:房野麻子,Business Media 誠]

 この春から一部の記事の相互掲載を開始した、Business Media 誠とGLOBIS.JP。その初めての打ち合わせの日、誠の編集長・吉岡が戻ってきて開口一番話した言葉がこれでした。「いやぁ、今日初めてGLOBIS.JPの編集長にお会いしたんですが、ホントにビックリしました。だって、鏡で自分を見るような人だったんだもん……」。

 今回の対談で分かったことですが、両媒体の編集長は同じ歳で、共に紙媒体の編集者出身。ほぼ同時期にそれぞれのサイトを立ち上げたということもあり、2人のキャリアは絶妙にシンクロしています。“ビジネスパーソン向けWeb媒体”という新しいジャンルで媒体を立ち上げ、育てる2人の想いとは? Webサイト編集の裏側をお届けする、拡大版・編集後記をお楽しみください。

記事の交換で読者の利便を拡大する

――そもそも、どのような経緯で「Business Media 誠」(以下、誠)と「GLOBIS.JP」の記事を交換することになったのでしょうか

吉岡綾乃(「Business Media 誠」編集長。以下、吉岡) ITmediaは、名前が示すとおりIT系の話題に強いWeb媒体ですが、ビジネス系の話題をメインに扱うWebサイトをやろうということで、2007年4月からスタートしたのが「Business Media 誠」(以下、誠)です。主な読者層は20〜30歳代の働き盛りのビジネスパーソンで、そういった方々が読んで役に立つコンテンツを、Webで無償で提供しようというコンセプトで運営しています。従来のビジネス誌よりも若いビジネスパーソンがターゲットですので、社会人大学(院)で学べるようなマーケティング論や経営学のイロハなどを紹介するコンテンツを提供したいという思いがありました。でも、そういうコンテンツをうちの編集部で作るのはなかなか難しいんです。そこで、誠のコンテンツを提供する代わりに、そういった内容の上質なコンテンツをご提供いただける方はいないだろうか、と探していたところ、ITmedia Biz.IDで記事を書いていただいている堀内浩二さんのお引き合わせでGLOBIS.JPさんと出会いました。

ay_globis01.jpg GLOBIS.JP編集長の加藤小也香さん

加藤小也香(「GLOBIS.JP」編集長。以下、加藤) グロービスは、学校法人として経営大学院、株式会社として企業研修事業やベンチャーキャピタルなどを運営している組織ですが、堀内さんは、弊社スクールでクリティカル・シンキングの講師を務めていただいており、実は私はクラス受講生として知己を得ました。良いご縁に、本当に感謝しています。

 吉岡さんのお話を聞きながら、私たちは、ちょうど逆のニーズを持っていたんだな、と再認識しました。

 グロービスは人材育成を主軸としており、コンテンツの発信が専業ではありません。ただ、研修事業やベンチャー投資を通じ、経営にかかる知見は蓄積しており、それをスクールで学ぶ人たちに付加的に提供していこうという思いはありました。実際、講師を中心に執筆した『グロービスMBAシリーズ』などの書籍を通じて、発信はしてきたわけです。そして、それが幸いにして集客装置となり、受講生を呼んできてくれるという好循環がありました。しかし昨今の、本を読む人そのものが減っていく状況で、お客様になっていただきたいビジネスパーソンが、どんどんWebに流れていってしまった。そこで、2006年8月に立ち上げたのが「GLOBIS.JP」です。

 ただ、先に申し上げた通り私たちはメディア専業ではないので集客力に乏しい。アイティメディアさんとの出会いによって、意識の高いビジネスパーソンの方々との出会いが開けると考えました。と同時に、どうしても理論の側から経営を語りがちな媒体に、ビジネスの現場からの生き生きとした情報をもたらすことができるとも思いました。誠は、そういう魅力的な記事をたくさん持っていらっしゃるメディアです。確かに集客も魅力ですが、なによりコンテンツそのものに魅力を感じています。

――お互いに補完できると

吉岡 そうですね。お互いのコンテンツを、お互いのサイトにはめ込んでいるわけですが、びっくりするくらいマッチしているので、密かに感動しています(笑)

加藤 本当にそうですね。いただいた記事が、私たちのサイトに昔からあったもののように、自然に溶け込んでいます。誠とGLOBIS.JPは、ビジネスモデルは違うけれど、来ていただきたいお客様の層は似ています。そして、コンテンツは、私たちが理論からビジネスの実務を見ているのに対し、誠は実務の側から理論に入っていっている感じでしょうか。

――具体的には、それぞれどのような記事を交換しているのですか?

加藤 GLOBIS.JPからは、「財務で読む気になる数字」「小西賢明の『お客様を想え。』」「経営いろは」の3本に加え、近日中に「Global Perspectives」「それゆけ! カナモリさん」の2本が加わる予定です。いずれも実務家でありながら、経営学の教鞭を執る講師が執筆しているのが特徴で、「エイベックスと浜崎あゆみの関係をファイナンスのポートフォリオ理論から分析すると?」とか、「マックカフェ撤退の理由をマーケティングフレームワークのSTPで考えると?」というように、具体的な事例に引き付けて語る記事が中心です。編集サイドとしては、例えば件のエイベックスの記事は、音楽コンテンツ配信の「music.jp」を運営するエムティーアイのCFOに執筆いただくなど、机上の空論に終わらない内容を目指しています。

ay_globis02.jpg Business Media 誠編集長、吉岡綾乃

吉岡 誠からは、「藤田正美の時事日想」「郷好文の“うふふ”マーケティング」「嶋田淑之の『この人に逢いたい!』」の3本をご提供しています。藤田さんは経済誌記者のご出身で「ニューズウィーク日本版」の元編集長なので、ジャーナリスティックな視点が特徴。国際ニュースについて、切れ味鋭く解説して頂いています。郷さんの連載は、「〜論」ではなく、エッセイのような切り口から商売の本質を考えていきましょう、というのが“郷さんらしさ”。同じマーケティングがテーマですが、GLOBIS.JPのマーケティング記事とはある意味対極的かもしれません。そして嶋田さんの連載は、会社など組織の中で、仕事を通して夢を実現するビジネスパーソンの生き方を丁寧に描くロングインタビューです。会社人だけでなく、元実務家の神社の神主さんや、温泉旅館の若女将など、さまざまな人が登場し、それぞれの立ち位置から“仕事”について語ります。誠のコンテンツ全般に言えることなのですが、身近な話題を切り口にして、もっと大きなこと、普遍的なことへと話をボトムアップさせる記事になるように心がけています。

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