暗いニュースが続き、不況ムードが漂う世の中に渇を入れるがごとく、ヒーロー映画が大挙公開されている。人間離れしたスーパーパワーや頭脳で、世の中に秩序と正義をもたらしてくれるヒーローたち。かつては勧善懲悪をテーマにした根っからのヒーロー(例えば「スーパーマン」など)が多かったが、最近は、世相が映画にも反映されてか、悩めるヒーローが増えている。テーマはリアリズムの追求。9.11の同時多発テロ以降、この傾向が顕著だ。
日本では、「アイアンマン」「ダークナイト」「インクレディブル・ハルク」「ハンコック」など、話題のヒーロー映画がもう間もなく公開されるが、どれも本国アメリカで大当たり、しかもどの作品も面白い! 新作の魅力を探りつつ、最近のヒーロー映画をタイプ別に紹介してみたい。
20世紀のヒーローたちが奇跡の復活を次々と果たした。意地悪な見方をすれば、人気が下火になったからシリーズもので再起をかけた、もしくは映画にお金を払う層が30〜40代とスタジオ側が思っているからともとれる。いずれにせよ、原点回帰したクオリティの高いものばかりだから、ファンにとっては喜ばしいこと。
50歳という大台を超えても、ブルース・ウィルス扮するジョン・マクレーン刑事のアクションとボヤキが健在だった「ダイ・ハード4.0」。何せ戦闘機と戦っても生きているんだからすごい。
「ロッキー・ザ・ファイナル」では、高齢化が進んだロッキー(スタローンは60歳過ぎ)が再びリングに立ち、男泣きを誘った。「ロッキー」の成功で気をよくしたスタローン、もはや開き直ったとしか考えられない「ランボー」シリーズ第4作「ランボー/最後の戦場」にも登場。3作目「怒りのアフガン」は88年だから、実に20年ぶりのカムバックである。スプラッター映画ばりの容赦ない戦場アクションは、シリーズ初のR指定を受けた。
復活ヒーローの一番の話題作といえば、19年ぶりとなる冒険野郎インディ・ジョーンズの帰還、「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」だ。“あのヒーローを再び見られる喜び”に存分浸れ、そして何より65歳、ハリソン・フォードのガンバリに拍手。
来年は、「チャーリーズ・エンジェル」のマックG監督、クリスチャン・ベール主演で「ターミネーター4」が控える。気になるシュワちゃんの登板は残念ながらなさそうだ。
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