愛する人を守りたいという優しい心につけこまれ、自己犠牲の末に、悪魔と取り引きした悲劇のヒーロー。“魂は奪われても、心は奪われない”という信念のもと、やがては悪と戦う道を選ぶ。ガンに冒された父を救うため悪魔と契約を結ぶ「ゴーストライダー」、愛する妻と再会したい一心で地獄の魔王と契約する「スポーン」が代表格。前者はドクロの顔を持つ全身火だるま、後者は意思を持った寄生コスチューム。見た目にかなりエグいので(一歩間違えればギャグにつながる)、人の役に立っても誤解されることが多く、その背中には哀愁が漂う。
悪魔の子でありながら猫を愛するなど、優しい心を持つコミック・ヒーロー「ヘルボーイ」。その映画化第2弾「ヘルボーイ2:ザ・ゴールデン・アーミー(原題)」が日本で今秋公開される。監督のギレルモ・デル・トロ、ロン・パールマンら主要キャストは続投し、ビジュアル面のスケールアップはもちろん、コメディ色やラブストーリーがさらに膨らんでいるとのこと。
シリーズものの多いヒーロー映画に新規参入し、全米3億ドル突破の特大ヒットを記録した「アイアンマン」。「スパイダーマン」や「X-MEN」などで知られるマーベルコミック原作の実写化だが、従来のスーパーヒーロー・アクションとは毛色が違う。物語は、アフガニスタンで拉致された武器開発メーカーのCEO、トニー・スタークが自ら鋼鉄製のパワードスーツを作り、これを着て、紛争地帯に赴きテロリストと戦うというもの。
主人公のスタークはミュータントでも特殊能力を持ち合わせているわけでもない。自分の頭脳と財力をフル活用し、特殊な武器を作り出す、普通の人間に過ぎない。映像の凄さはもちろん、共感を呼ぶキャラクターが観客の支持を得たに違いない。この“戦う社長”には批評家も大絶賛で、シリーズ化も決定、全米公開は2010年を予定している。
ハリウッドで最もヒーロー役が似合う男といえば、ウィル・スミス。彼がオリジナルのスーパーヒーローに挑戦したのが「ハンコック」だ。一応犯人逮捕に協力はするものの、やる気はゼロ。ビルやアスファルトを派手に壊すので、市民からは感謝されるどころか嫌われている、ヒーローとしてはあるまじき設定がユニーク。パワーを持て余すハンコックのムチャな活躍と、望まずしてパワーを持ってしまった者のやるせなさも描かれている。
アメコミ・ヒーローの映画化はクロスオーバー(交差)がひとつのキーワードになりそうだ。「インクレディブル・ハルク」には、「アイアンマン」に登場する軍事産業会社スターク・インダストリーズの名前や、主人公のトニー・スタークまでもが登場する。マーベルは、ヒーローが総登場する「AVENGERS」の企画を進行させていて、このシーンが布石になる可能性もあるのでお見逃しなく。
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