どのように育てれば「自発的な部下」になるのかボクの不安が「働く力」に変わるとき(3/3 ページ)

» 2012年12月19日 08時00分 公開
[竹内義晴,Business Media 誠]
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楽しさとは「小さな成長感」

 職場の「楽しさ」を作るために「褒めて育てよう」という人がいます。しかし、褒め慣れていない人にとって「褒めなさい」と言われても、実際はなかなか褒められないのですよね。実は私自身、「褒める」のが苦手。意識して「褒めよう」と思うと緊張し、何かわざとらしく、ぎこちない言い方になってしまいます。

 また「褒める」とは、ある結果に対して「あなたはすばらしい」と伝えることですが、「褒める」にはやや上から目線の印象があります。なぜなら、部下の行動に対して「すばらしい」「すばらしくない」と評価をくだすことでもあるからです。

 では、どのように「楽しさ」を作っていったらいいのでしょうか。

 人が楽しさを感じることの1つに「成長感」があります。成長感なんて書くと、何か大げさに聞こえるかもしれませんが、「前より改善した」「今までできなかったことができるようになった」といった「小さな変化」のこと。成長感を感じたとき、人はうれしくなり、楽しくなります。

 「成長感を伝える」とは、「褒める」とは少しニュアンスが違います。「あなたはすばらしい」と評価する必要はなく、「以前できなかった○○ができるようになった」「以前は○○だったけど、今は○○だ」というように、行動のプロセスに対する変化や事実を伝えることなので、無理に褒める必要がなく、伝える緊張感も和らぎます。

 また「がんばってきたね」というねぎらいも成長感を伝える1つです。部下に「自分のことを見ていてくれている」「認めてくれている」ということが伝わるでしょう。


 リーダーシップという言葉の響きには、何か「決断」「陣頭指揮」「強さ」という印象があります。だからこそ、中間管理職になったとき「しっかりしなければ」「叱らなければならない」と思うのでしょう。

 部下を動かすためには、強力なリーダーシップも時には必要なシーンがあるかもしれません。けれども、強いリーダーシップは動いていないものを無理に動かすことになるので、リーダー自身も部下も非常に疲れてしまいます。まず、部下の首につけていた縄をほどくこと。そして、後ろからそっと後押しするコミュニケーション力を身に付けること。そうすることで、実はそんなにがんばることなく、中間管理職も楽しく仕事ができるようになるのではないかなと思っています。

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