どのように育てれば「自発的な部下」になるのかボクの不安が「働く力」に変わるとき(1/3 ページ)

上司からは部下を動かすように言われ、部下からは「会社側の人間」と見られてしまう。上司と部下の間で板挟みになっている人も多いのではないでしょうか。そこで「自発的な部下の育て方」を紹介しましょう。

» 2012年12月19日 08時00分 公開
[竹内義晴,Business Media 誠]

ボクの不安が「働く力」に変わるとき:

 「毎日しんどいなあ。どうしたら、もっと楽しく働けるんだろう」――。

 先行き不透明なビジネス環境が続いている。ストレスが多くギスギスした人間関係の職場で、「いつか“うつ”になるかもしれない」と不安を感じながら働いている人も多いのでは。

 本連載『ボクの不安が「働く力」に変わるとき』では、労働者一人ひとりが抱えているメンタル面やモチベーションの課題、職場が抱えているコミュニケーションや人間関係の問題などを取り上げ、「どうしたら楽しく働く環境をつくれるか」をテーマに考えていく。

竹内義晴(たけうち よしはる)

 1971年生まれ。経営者、教師、コンサルタント、コーチ、カウンセラーなど、リーダー層を支えるビジネスコーチ。人材育成コンサルタント。

 自身がプレッシャーの多い職場で精神的に追い込まれる中、リーダーを任される。人や組織を育てるには、マネジメントの手法だけでは太刀打ちできないことを痛感。優れたリーダーたちが使う卓越したコミュニケーションスキルを学び、実践。チームの変革に成功する。実践の経験から、難しいコミュニケーションスキルを誰もが現場ですぐに使えるようにした独自の手法「トライアングルコミュニケーションモデル」を考案。実践的なコミュニケーション方法を伝えるコミュニケーショントレーナー。

 米国NLP協会認定NLPトレーナー、NPO法人しごとのみらい理事長。著書に『「職場がツライ」を変える会話のチカラ』(こう書房)がある。

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 上司からは部下を動かすように言われ、部下からは「会社側の人間」と見られてしまう。上司と部下の間で板挟みになっている中間管理職は、仕事上の役割として疎外感がある最も辛い立場です。

 できれば今までのように、仲間としてみんな(部下)と接したいし、接してあげたい。けれども、立場上、少し厳しいことも部下に言わなければならない。このような立場で、どのように部下に接したらいいのか分からないと悩んでいる中間管理職の人もたくさんいることでしょう。

 そこで今回は、中間管理職のための「自発的な部下の育て方」についてお話をしたいと思います。

筆者注:「部下」は上から見下されている印象があるため、個人的にあまり使わない表現ですが、中間管理職の立場を示す際、「上司」「部下」が分かりやすいため、本稿では「上司」「部下」と表現します。

中間管理職になって初めて分かる「人を動かす難しさ」

どのように育てれば「自発的な部下」になるのか(写真と本文は関係ありません)

 中間管理職になって初めて気づくことは、「いかに人を動かすことが難しいか」ということです。部下に対してプレッシャーをかけると、しぶしぶはやってくれるものの嫌な顔をされてしまう。本当は自分から気がついて動いてほしいのに、なかなか自発的には動いてくれない。

 近年では、労働者の鬱(うつ)も問題になっています。「自分のコミュニケーションのせいで鬱にしてしまったらどうしよう」と恐れて叱れない人もいるかもしれません。

 部下だってそうです。プレッシャーばかりかけられる毎日では、仕事がつまらなくなってきます。職場の雰囲気も悪くなってきて、仕事にも積極的に取り組みたくなくなり、負のスパイラルに入ってしまいます。

 本当は自分だって、部下とともに楽しく働きたい。けれども、どのように接したらいいのか分からないので、結局、プレッシャーをかけるしかない。それが、中間管理職の悩みです。

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