図解で「ジェイコム株誤発注訴訟」を整理する世の中「四角形と矢印」でできている(3/3 ページ)

» 2009年12月25日 15時30分 公開
[永田豊志,Business Media 誠]
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photo 図5 永田版、ジェイコム株誤発注訴訟の図

永田 誤発注は、そもそも、みずほ証券が61万円で1注文すべきところを、1円で61万株の注文をしたところからスタートしてます(図6)。

編集部H ふむふむ。それで3億7000万の損が生じたわけですね。

永田 そうです。東証が、注文を普通に裁いた結果、損失が出たので、注文と結果を2つの矢印で表現したわけですね。

編集部H その後、注文を取り消した。

永田 ええ、でもその取り消しが処理されなかった。問題はここにあります。その後、8分間で損失は407億円まで膨れ上がってしまいました。誤発注から時間経過に合わせて、2者のやりとりをこのように整理すると、分かりやすいですよね。

編集部H 確かに。

photo 図6 2者間のやりとりを時系列で整理する。時間経過が分かるように描きましょう

永田 問題となっている注文取消しをしたのに、処理されなかったという件ですが、おそらく東証に投資家が大量に押し寄せて、システムが対応できなかったんでしょうね(図7)。

編集部H みずほ証券は、そこが東証の責任だと言っているわけですね。

photo 図7 注文を取り消したが、処理されなかった。本来は処理されるべきところが、そうならなかったため、実線と点線で見た目を分けてみた

永田 2者の主張の食い違いを、四角の中に入れてみました。どっちも怒っているでしょうから、人物アイコンの表情にも、それを反映してみました(図8)

編集部H お〜、怒ってる、怒ってる。

photo 図8 両者の主張と、「怒っている」表情を人物アイコンに反映させるとリアルになる

永田 最後にもう一度、全体図を確認してみましょう。登場人物であるみずほ証券と東証の対立、その間に起きた事件(誤発注)の時系列でのやりとり、お互いの主張と提訴賠償命令の流れ(図9)。

編集部H ふ〜ん、最初にニュースを読んだときよりは、シンプルになってますよね。

永田 そうです。図解通訳のメリットは、複雑そうな事象をシンプルにし、理解や記憶を助けるところにあります。みなさんも、ぜひ身の回りの複雑な事象を図解にしてみてください。

photo 図9 再度、全体図をチェックしてみる。対立する2者の主張、2者間のやり取りが時系列で整理されているだろうか

永田 ちなみに、話題のニュースでHさんにチャレンジしてもらうのは今回で終わりです。

編集部H あ〜、よかった。これで解放される!

永田 まあまあ、そう言わず。今後もHさんの気になる物事を、どんどん図解通訳してみてください。

編集部H は〜い、ありがとうございました。


連載「世の中『四角形と矢印』でできている」、いかがだったでしょうか? 誠 Biz.IDでの連載は今回でいったん終了です。さらに詳しい内容をご覧になりたい方は、書籍『頭がよくなる「図解思考」の技術』で続きをお楽しみください。


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