「斬新な買い物」を考えてみる――「足し算と引き算のプロセス」四則演算の発想フレームワーク(1/2 ページ)

四則演算を発想思考に使い、短時間で効果的なアイデアを発生させるシステム「四則演算の発想フレームワーク」。今回は、いかにポジティブファクターを増やし、ネガティブファクターを減らすかを検討する「足し算、引き算のプロセス」を紹介します。

» 2009年07月01日 14時00分 公開
[永田豊志,Business Media 誠]

四則演算の発想フレームワークとは

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 「4文字英語の最強フレームワーク」に続き、算数の足し算、引き算、掛け算、割り算のしくみを発想思考に使い、短時間で効果的なアイデアを発生させるシステム「四則演算の発想フレームワーク」を5回に渡ってご紹介します。

 今回紹介する四則演算の発想フレームワークは、『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(ソフトバンククリエイティブ刊)の第3章「発想のフレームワークでアイデア爆発!」から抜粋しています。

 3回目は足し算と引き算のプロセスについて解説します。


 アナタの増やしたいものは何でしょうか?

 資産? 自宅のスペース? 友達? 給料? いろいろありますね。

 では、減らしたいものは?

 生活費? 肩こり? 通勤時間? 将来の不安

 人によって増やしたいもの、減らしたいものはさまざまです。しかし、上記のような要素というものは、「表面的なニーズ」なんですね。本当に増やしたいのは、もっと心の奥底にある根源的なものです。「資産」はお墓に持っていけるわけでなく、資産があっても不幸な金持ちは大勢います。本当に増やしたいのは「資産」ではなく、「安心感」だったり、「利便性」だったりするわけです。その手段として「給料」を増やし、「資産」を増やしたいと思うのです。

 減らす方だって一緒です。「肩こり」を減らしたいのは、結果として減らしたい表面的なニーズであって、その根底には「痛み」「不安」「手間」などを減らしたいという欲求があるのです。

 課題によって増やしたいもの、減らしたいものは千差万別なのですが、おおよそ、次のように分けることができます。

(+)増やしたい要素

 ポジティブ面の根源的欲求……感動、快感、幸福感、安心感、充実感などを増やしたい

 ポジティブ面の表面的ニーズ……資産、クオリティ、機能、利便性、安全性、耐久性、容量などを増やしたい

(−)減らしたい要素

 ネガティブ面の根源的欲求……不安、緊張、悲しみ、痛み、恐怖などを除去したい

 ネガティブ面の表面的ニーズ……費用、不具合、肉体的負担、リスク、不確実性などを低減したい


 このように足し算、引き算のプロセスは、どうやったらポジティブファクターを増やすことができ、ネガティブファクターを減らすことができるかを検討するフェイズなのです。

 しかし、一方でスリルを求める遊園地、毎回見逃せない人気のドラマ恋愛小説などエンターテインメントものには、逆に「緊張」「不安」「悲しみ」などが欠かせません。これはどう考えればいいのでしょうか? 誰だって本質的に「緊張」や「悲しみ」を増やしたい人はいません。これは、「感動」「笑い」を増やすための手段として、時にネガティブファクターも必要だと考えるといいでしょう。他人の不幸は蜜の味、というわけです。

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