足し算と引き算は問題の各要素について、以下のような質問を投げかけます。
例えば、「買い物」というありふれた課題に対して足し算、引き算で面白いアイデアを考えてみましょう。まずは、ポジティブファクターです。「買い物」の「価値」を高めるポジティブファクター(感動、笑い、クオリティ、機能、利便性、安心感、耐久性、容量など)のアイデアはどのようなものがあるでしょうか?
→(例)昼注文すれば、夕食の支度前に届くネットスーパー(利便性の向上)
→(例)全商品の製造工程がチェックできるトレーサーシステム
→(例)思わぬ発見ができる店ごとにオリジナリティあふれる陳列方式
→(例)すべての商品を5年保証する会員クラブ
→(例)車のトランクにそのまま入れられる特大買い物かごを無料レンタル
いかがですか? 増やしたいポジティブファクターと課題となるテーマからどんどんアイデアが出てくるはずです。
それでは、減らしたいネガティブファクターはどうでしょうか? 一般的に減らしたい要素は、費用、手間、労力、不具合、不安、緊張、悲しみ、肉体的負担、痛み、リスク、不確実性などです。これを「買い物」というテーマに当てはめて考えてみます。
→(例)規格外や端切れなどワケあり商品だけを特価で販売するECサイト
→(例)1カ月分の食材を毎日宅配してくれるサービス
→(例)店内カートをそのまま自宅まで持って帰ることのできるスーパー
→(例)TOEICの点数が100点以上上がらなかったら全額払い戻す英語教材
このように、ポジティブファクターが増えるか、ネガティブファクターが減ることによって、大きくモノやサービスの価値が向上すれば、人が行動を起こす大きなトリガーになるのです。足し算、引き算はこうしたアイデアを生み出すアプローチなのです。
詳しくは、書籍『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』に掲載する足し算と引き算のプロセスの具体例をチェックしてみてください。
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