「斬新な買い物」を考えてみる――「足し算と引き算のプロセス」四則演算の発想フレームワーク(2/2 ページ)

» 2009年07月01日 14時00分 公開
[永田豊志,Business Media 誠]
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 足し算と引き算は問題の各要素について、以下のような質問を投げかけます。

  • (+)「増やせるポジティブファクターは何か? 価値を高め、魅力を増すことのできるものは?」
  • (−)「減らせるネガティブファクターは何か? 不要なもの、負担を減らすことのできるものは?」

 例えば、「買い物」というありふれた課題に対して足し算、引き算で面白いアイデアを考えてみましょう。まずは、ポジティブファクターです。「買い物」の「価値」を高めるポジティブファクター(感動、笑い、クオリティ、機能、利便性、安心感、耐久性、容量など)のアイデアはどのようなものがあるでしょうか?

(+)買い物の「利便性」を高める

→(例)昼注文すれば、夕食の支度前に届くネットスーパー(利便性の向上)

(+)買い物の「安心感」を増やす

→(例)全商品の製造工程がチェックできるトレーサーシステム

(+)買い物の「感動」を増やす

→(例)思わぬ発見ができる店ごとにオリジナリティあふれる陳列方式

(+)買い物の「耐久性」を高める

→(例)すべての商品を5年保証する会員クラブ

(+)買い物の「容量」を増やす

→(例)車のトランクにそのまま入れられる特大買い物かごを無料レンタル



 いかがですか? 増やしたいポジティブファクターと課題となるテーマからどんどんアイデアが出てくるはずです。

 それでは、減らしたいネガティブファクターはどうでしょうか? 一般的に減らしたい要素は、費用、手間、労力、不具合不安、緊張、悲しみ、肉体的負担、痛み、リスク、不確実性などです。これを「買い物」というテーマに当てはめて考えてみます。

(−)買い物の「費用」を減らす

→(例)規格外や端切れなどワケあり商品だけを特価で販売するECサイト

(−)買い物の「手間」を減らす

→(例)1カ月分の食材を毎日宅配してくれるサービス

(−)買い物の「肉体的負担」を減らす

→(例)店内カートをそのまま自宅まで持って帰ることのできるスーパー

(−)買い物の「リスク」を減らす

→(例)TOEICの点数が100点以上上がらなかったら全額払い戻す英語教材



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 このように、ポジティブファクターが増えるか、ネガティブファクターが減ることによって、大きくモノやサービスの価値が向上すれば、人が行動を起こす大きなトリガーになるのです。足し算、引き算はこうしたアイデアを生み出すアプローチなのです。


 詳しくは、書籍『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』に掲載する足し算と引き算のプロセスの具体例をチェックしてみてください。

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