結婚式のスピーチは、なぜつまらなく感動できないのでしょう。ネットや本で「結婚式スピーチのひな形」などを見ていると、実に当たり障りのない、きれい事だけを語っただけのような、毒にも薬にもならない話が、「いいスピーチ例」として紹介されています。
これらのスピーチがなぜ感動もできず、面白くないのか。それは感動できるような要素が、ほとんどそっくり抜け落ちているからなのです。だからつまらない。では、感動できる要素とは一体何でしょうか。それは、
人の成長
なのです。映画や小説、漫画など、人の心を動かす話には、ほぼ全て人が成長していくプロセスが入っていますよね。やはり、この要素が盛り込まれていないと、人はなかなか感動できないのです。
逆に言えば、人の成長をきちんと語ることができたら、感動できるスピーチとなるわけです。考えてみればそもそも、結婚式というイベントそのものが持つテーマが、
新郎新婦の成長の証と、新しい旅立ちを祝う
ということにあるわけです。だからこそ、新郎新婦の成長を実感できるメッセージが、気持ちの入らない美辞麗句よりは、よっぽど響くのであります。
友人や来賓のスピーチ――それほど成長を感じさせない――に比べて、両親のあいさつは必ずといっていいほど心打たれますよね。その理由も、実の息子や娘が成長してきたこと、そして結婚して家族を持つまでに育った、ということを育てた側がリアルに語るからこそ、感動できるわけです。
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