マインドとテクニックで学ぶ――結婚式で感動的なスピーチを行うトーク術人を動かす話し方講座(1/3 ページ)

実際に、結婚式で聞き手が感動するようなスピーチをするためにどんな話をしたらいいのでしょうか。結婚式で、知り合いの神父さまにびっくりするような“暴言”を吐かれた筆者と考えてみましょう。

» 2009年04月20日 11時45分 公開
[水野浩志,Business Media 誠]

 前回、結婚式のスピーチで忌み言葉に振り回されない為のテクニックと心構えについてお話しました。今回は実際に、結婚式で聞き手が感動するようなスピーチをするためにどんな話をしたらいいのかをお話したいと思います。

神父、暴言を吐く

 私事で恐縮ですが私たち夫婦はちょうど10年前、1999年4月11日に結婚しました。

 式は、実家の近くにある教会で上げました。その教会は、私が通っていたカトリック系幼稚園の併設、神父さまやシスターとも小さいころから交流がありました。私自身は敬虔(けいけん)なクリスチャンというわけではないのですが、新たな人生の一歩を踏み出すために、私はあえて、今の自分を育ててくれたその教会で結婚式を挙げることにしたのです。

 結婚式の当日を迎え、私は緊張の面持ちで祭壇の前に立ちました。とはいえ面識もあり、気心も知れた神父さまだったので、ある意味、安心してお任せもしていたのも事実でした。

 ところが事件が起こります。

 開催の儀がにぎにぎしく行われ、神父さまからのお話を頂く、というとき。あろうことか、その神父さまは、私の昔の悪行について語り始めたのです。

 小さいころはホントやんちゃ坊主で、人の言うことは聞かないわ、自分勝手に行動するわ、協調性はないわ、いたずらばかりするわ――そういった話を、自分の親兄弟はおろか、かみさんの親族関係者がいる前で、ドンドン語り始めたのです。

 私は背中にいやな汗が流れ、顔から血の気が引いていきました。一生に一度の、晴れの舞台が台なしになってしまう。その恐怖に震えていたのでありました。ところが、神父さまの話が終わった後、参列者の皆さんは、一様に感動してくれていたんですね。さて、この神父さまは一体どんな魔法を使ったのでしょうか?

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