ドラえもんで“順番”をとことん考えればストーリーが発見できるプロ講師に学ぶ、達人の技術を教えるためのトーク術(4/4 ページ)

» 2009年04月16日 17時02分 公開
[開米瑞浩,Business Media 誠]
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 参考までに、「ドラえもん」ネタをもういくつか紹介しておきましょう。もし、ドラえもん、のび太、ジャイアンに加えてスネ夫も登場させると、この4人は一直線の関係では並びません。ジャイアンとスネ夫は2人組でのび太をいじめることが多いため、この2人を並列にして「いじめっ子チーム」といったカタマリにするとよさそうです。

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 一方、ここに「しずかちゃん」まで書き足そうとするとまた別な展開が必要です。「しずかちゃん」とのび太の関係は「いじめ〜逆襲」というラインには乗りません。そのため、「しずかちゃん」と「のび太」の間には何か別の関連性を示す矢印を引く必要があります。

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 こんなふうに考える要素を増やしていくと、一直線の順序づけだけではないバリエーションが出てきますが、結局のところ「順番をつける」ことで関係を発見していることには変わりありません。ぜひ「順番」をとことん考えてください。

 なお、しずかちゃんとのび太の間の「?」についてはいろいろな案があるはずですので、「ドラえもん」をご存じの方は練習問題のつもりで考えてみてください。「ストーリーのある図解」の効果を実感できることでしょう。

筆者:開米瑞浩(かいまい みずひろ)

 IT技術者の業務経験を通して「読解力・図解力」スキルの再教育の必要性を認識し、2003年からその著述・教育業務を開始。2008年は、「専門知識を教える技術」をメインテーマにして研修・コンサルティングを実施中。近著に『ITの専門知識を素人に教える技』『図解 大人の「説明力!」』


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