ドラえもんで“順番”をとことん考えればストーリーが発見できるプロ講師に学ぶ、達人の技術を教えるためのトーク術(3/4 ページ)

» 2009年04月16日 17時02分 公開
[開米瑞浩,Business Media 誠]

「プロセス」に対して「ナレッジ」をうまく適用する能力が「スキル

開米 それがこの図です。

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開米 これに口頭説明トークをつけるとこうなります。


 営業マンの最大目標(ゴール)は契約を取ることですが、しかしそのゴールに至るまでにはいくつかのプロセスが必要です。一例を挙げると「A:アポ取り」「B:課題確認」「C:商品説明」といったプロセスが考えられますが、自社の商品を売るためにはどんなプロセスが必要なのか、これをきちんと把握していなければなりません。つまり第1にプロセスマネジメントが必要です。

 次に必要なのは知識、ナレッジです。顧客の抱えている課題が何で、そこに自社の商品をどう使えば解決できるのか、その方法論と事例は、注意事項は、といった知識が営業チーム内で共有されていなければなりません。従って、第2にナレッジマネジメントが必要です。

 一方で、人間は「知識」だけでは仕事はできません。知識(ナレッジ)を実際のプロセスに適用していく能力、これが「スキル」です。同じ知識を持っていても、スキルの差があれば仕事の成果は変わってきます。従って営業チーム内の各人のスキルを把握し、それを向上させていくような手を打つ必要があります。つまり第3にスキルマネジメントが必要です。

 そして、営業というのは人間が行う仕事です。人間は、モチベーションがないことには動きません。モチベーションは、プロセス、ナレッジ、スキルのすべてが動く土台として必要なものです。従って、モチベーションが上がるようなしくみを考える必要があります。つまり第4にモチベーションマネジメントが必要なのです。

 以上、プロセス、ナレッジ、スキル、そしてモチベーションの4点が、営業マネジメントの対象領域です。


庄司 おお……。

開米 と、こんな感じでいかがでしょうか?

庄司 す、すばらしい……いや、元ネタ作ったの自分なのに、なんか改めて納得しちゃいましたよ。そうです、まさにそういうことを言いたかったんです。これこのままわたしのセミナーでイタダキますね!!

開米 どうぞどうぞ使ってください。いや、そんな感想がもらえるとほっと一安心です(笑)

庄司 確かにそうですね、プロセスとスキルとナレッジ、それからモチベーション。この4つ、確かにこういう関係です。いや、図にしてみるとよく分かる。イメージできます。

開米 個条書きのままだとどうしても「丸暗記」になりがちなんですよ。丸暗記したものって、忘れやすいですよね?

庄司 そうですね、本当は分かってないのに、文言だけ丸暗記したような知識ってすぐ忘れるし、全然役に立ちません。

開米 ところが、こんな風に図解して相互の関連性が見えるようにすると、個別項目の丸暗記じゃなく、全体像をイメージできるようになるので、非常に印象に残るし忘れにくいんです。

庄司 なるほど、こういう図があれば目で見て分かるし……それに、そこにストーリーがつくから……

開米 ストーリーがあると、一部ど忘れしても思い出しやすいんですよ。

庄司 そうですね、確かに。前後の関連性を手がかりにして思い出せますね。

開米 そういうことです。だから、

 個条書きで満足しないでほしい


 んです。

庄司 なるほど!! いや、よく分かりました!!

開米 で、個条書きで満足せずに、こんなストーリーの見える図解にするために一番手っ取り早いのは、何を考えること……でしたっけ?

庄司 ……順番?

開米 そうです! それさえ分かってもらえば、もう十分ですよ! この話をした甲斐(かい)がありました! というわけで、今度から個条書きを使うときは、

 個条書きの各条の「順番」を真剣に考えて、図解できるようなら図解して


 みてください。説明に時間がかかる難しいページだけでもこれをやっておくと、劇的に効果が出ることがありますから。

庄司 了解です! やってみます!

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