輸出量7年で42倍! ニッカウヰスキーが海外で売れている&売ることができるワケ仕事をしたら“ウイスキー”が売れた(3/6 ページ)

» 2014年11月26日 08時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

ウイスキーファンを見つける方法

楫: いえ、そんなことはありません。日本とそんなに変わらないでしょう。ウイスキーに関しては、国を問わず、ターゲットになるお客さんは限られているんですよね。ただ、ウイスキーファンは常に情報を求めているんですよ。

土肥: 「国際的なウイスキーコンクルールで『竹鶴』は、また最高の賞を受賞したのか。じゃ、飲んでみるか」といった感じで?

楫: ですね。

土肥: 「世界で最も有名な賞を受賞したぞー!」と大々的にアピールしたら、売り上げが伸びそうですよね。でもそうしないのは、ウイスキーファンは限られているから?

楫: はい。マスで商売はしていないんですよ。テレビでCMを流しても、“砂漠に水をまくようなもの”かもしれません。もちろん、広告・宣伝がまったく効果がないというわけではありませんが、効率がよくないんですよね。むしろ、ウイスキーファンにどうやって接触すればいいのか、といったことを考えなければいけません。

土肥: ウイスキーファンってどのようにして探されるのですか?

楫: 方法はいろいろあるのですが、展示会で出会うことが多いですね。例えば、日本では「Tokyoインターナショナル・バーショー+ウイスキーライヴ」という展示会が開かれているのですが、その会場に入るのにはお金がかかります。今年は、当日券が6000円。安くはないですよね? でもお金を払ってでも、新しいウイスキー、いいウイスキーを探そうという人たちがいます。ちなみに、米国で行われている展示会の入場チケットは、270ドルもするんですよ。

土肥: 270ドルって、日本円で3万円ほどじゃないですか。元をとるために、ガブガブ飲まなくちゃ(笑)。

楫: 米国は広いので、ウイスキーファンに接触することは難しい。しかし、展示会にはたくさんの人が来られるので、そうした場で接触を図るようにようにしていますね。

フランスのパリに拠点を構えるメゾンドウイスキーの店内。ニッカウヰスキーの商品が売れている

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