最後にちょっと変わった“ハイブリッドカー”を紹介しよう。コマツユーティリティーのフォークリフト「ARION HYBRID(アリオンハイブリッド)」だ。
一般車で「ハイブリッド」といえば「ガソリンエンジン+バッテリー」のハイブリッドが多いが、アリオンハイブリッドは「バッテリー+キャパシタ」のハイブリッドだ。
実はフォークリフトの世界ではすでに電気を動力源とするバッテリー車が普及しているのだそうだ。ディーゼルエンジン車よりランニングコストに優れる上、排ガスを出さないバッテリー車は室内での荷役作業にも都合が良い。
しかしバッテリーを搭載するフォークリフトには課題があった。充電時間の長さ(10〜13時間)の割に稼働時間が短い(1.5トン車で約6時間)こと、またバッテリーの消耗とともに電力が低下し、作業スピードも落ちることがそれだ。
アリオンハイブリッドでは、大型のキャパシタ(充電装置)を搭載し、バッテリーと2系統の電源を持つことでこの課題をクリアしている。発進・荷上げなど大きな電力が必要な場合にはキャパシタの電力を、走行中はバッテリの電力を使い、減速時や前後進を切り替えるときに発生する回生エネルギーをキャパシタに回収するのだ。
ハイブリッドカーといえば「ガソリン+バッテリー」「燃料電池+バッテリー」と思いこんでいたので、バッテリーハイブリッドという考え方はとても面白かった。ちなみにアリオンハイブリッドの販売価格は約400万円(一般のバッテリーフォークリフトは300万円程度)。2007年4月に発売され、現在約500台が稼働中だという。
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