設備も整った2015年こそ次世代エコカー元年?!:PHV、EV、燃料電池車、クリーンディーゼル……(2/2 ページ)
原油価格は下がっていても、円高の影響もあり、日本のガソリン代はなかなか安くならない。クルマを買うならエコカーに、というのは当然の流れだろう。2015年は“次世代”エコカーが多数登場。最新事情をまとめた。
気になる次世代エコカーの種類と価格
「次世代エコカー」と一口に言ってもタイプはさまざまだし、優遇金額も車種によって異なる。ここでは、いくつかのサンプルを挙げながら簡単に説明していこう。
直接コンセントから充電できる「プラグインハイブリッド自動車」
本記事の中でたびたび登場するPHV(プラグインハイブリッド自動車)は、コンセントから充電できるタイプの次世代エコカーだ。自宅に充電器を設置して利用するのが中心になるが、公共の充電インフラも利用できる。
ハイブリッド自動車(ガソリンを使用したエンジン駆動と、そこで充電した電力でのモーター駆動)とEVの良いとこ取りで、環境とお財布に優しく、走行距離も担保しているため最も現実的な次世代エコカーといえるだろう。
トヨタ「プリウスPHV」や三菱「アウトランダーPHEV」が挙げられる。価格と優遇金額はプリウスPHV グレードSの場合285万7143円(税別・以下同)で25万円の優遇、アウトランダーPHEV グレードEの場合316万5000円で29万円の優遇となる。
電気が原動力「電気自動車」
EVと略されるのが電気自動車だ。電気のみで走行し、ガソリンを使わないため、充電インフラが整備される前は、利用者は限定的だったが、充電設備が加速度的に拡大するにつれ、実用的になりつつある。さらに、走行距離を伸ばす工夫も各社で行われていることから、今後利用者が増えていくと予想される。
代表的な車種として日産「LEAF」、三菱「iMiEV」がある。LEAF グレードS 14モデルは266万円、優遇金額は53万円、iMiEV グレードMは234万2000円で49万円優遇される。なお、日産はLEAFオーナー向けに「日産ゼロ・エミッションサポートプログラム」を用意しており、月額会費のみで提携急速充電スポット(ライトプランの場合は日産販売店舗での充電設備)が5年間使い放題になる。
水素で走る「燃料電池自動車」
次世代エコカーの中でも、燃料電池自動車(FCV)はもっともクリーンな自動車だろう。水素を燃料としているため、走行時に二酸化炭素や窒素化合物などを排出しないのだ。ただし、水素ステーションの設置数の少なさ、価格の高さなどが導入のネックになっている。
一般向けにはトヨタ「ミライ」が(参考記事)、また一部法人に限定したリース販売のホンダ「FCXクラリティ」がある(参照リンク)。ミライは670万円で優遇額は202万円。
ハイブリッドカーとは別の切り口「クリーンディーゼル自動車」
以前は二酸化炭素やPM(粒子状物質)をまき散らすとして敬遠されていたディーゼル自動車だが、現在では大気汚染物質の排出が少ないディーゼル自動車が開発されている。
クリーンディーゼル自動車の利点は、何といってもガソリン車並みのパワーと燃費の良さ、どこにでもあるガソリンスタンドで燃料を補給できるという安心感と、ガソリンより安価な軽油(ディーゼル)を燃料としているということだろう。
代表的な車種として、マツダ「アクセラスポーツ」や日産「エクストレイル20GT」がある。価格はアクセラスポーツ XDが284万円で優遇金額は70万円、エクストレイル20GT(6AT) グレードSが265万7000円で優遇金額10万円だ。
関連記事
- 池田直渡「週刊モータージャーナル」:トヨタの燃料電池自動車「MIRAI」の登場で、ガソリンエンジン車はなくなる?
夢の燃料電池車(FCV)――トヨタが発表した「MIRAI」は大きな話題となった。ありあまる水素を燃料にできるFCVは究極のエコカー。FCVが普及すれば、将来、ガソリンエンジン車は駆逐されるのだろうか? - 水素で走る究極のエコカー、ホンダ「FCXクラリティ」に乗ってみた(前編)
未来のエコカーとみられている、水素をエネルギーとして使う燃料電池車(FCV)。そのFCVの1つ、ホンダの「FCXクラリティ」に乗ってみると、優れた加速性能に驚いた。 - 水素充填を初体験。究極のエコカー、ホンダ「FCXクラリティ」に乗ってみた (後編)
未来のエコカーとみられている、水素をエネルギーとして使う燃料電池車(FCV)。そのFCVの1つが、ホンダの「FCXクラリティ」だ。前編ではその乗り心地をレポートしたが、後編では有明水素ステーションでの水素充填の模様をお伝えする。 - プリウスPHVでモテる?:非モテ男、電源ガールに出会う【出会い編】
連載「面白ビジネスグッズでモテる?」終了から約1カ月。誠編集部の非モテ記者・ホリウチが帰ってきた。今度こそ、今度こそホリウチはモテるのか……? - クルマの買い時、今ならいつ?
2015年は、また消費税の増税が予定されている。中でも高額な商品は特に大きな影響を受け、駆け込み需要によるデメリットも予測される。まだ間に合ううちに、直近の「クルマの買い時はいつか」を考えてみよう。 - ちょっと未来のクルマを考える:“第3のエコカー”こと低燃費ガソリン車、実際の実力ってどうなの?
次世代ガソリン・ディーゼル車研究会が、デミオ SKYACTIVとフィット HYBRIDの実走行燃費を比較する実験を行った。低速、中速、高速ステージそれぞれの結果はどうだったのか。 - 今年日本で注目の「第4のエコカー」、クリーンディーゼルとは?
21世紀のクルマにとって「エコ」は当たり前。プリウスに代表されるハイブリッドカーだけでなく、電気自動車(EV)、PHV、第3のエコカーなど選択肢は日本でも年々増えている。今年注目の第4のエコカーと、その課題とは? - エコカーの“エコ”はエコロジーよりエコノミー?
エコカーについて、どのようなイメージを持っている人が多いのだろうか。ソニー損害保険の調査によると、「デザインが良い」「高級感がある」という意見は多かったが、「割高感がある」という人も目立った。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.