設備も整った2015年こそ次世代エコカー元年?!:PHV、EV、燃料電池車、クリーンディーゼル……(1/2 ページ)
原油価格は下がっていても、円高の影響もあり、日本のガソリン代はなかなか安くならない。クルマを買うならエコカーに、というのは当然の流れだろう。2015年は“次世代”エコカーが多数登場。最新事情をまとめた。
3月も終わりに近づき、子どもが春休みに入っているという家庭も多いだろう。一家水入らずで出かけるのに自動車は便利だが、燃料代がバカにならない。燃費を考えると、エコカーや軽自動車(参考記事)が売れるのは自然な流れだ。
エコカーの代表格ともいえるのがトヨタ「プリウス」だろう。モーターとバッテリーの両方を積んだハイブリッド自動車として1997年に誕生し、2012年には充電器から充電もできるPHV(プラグインハイブリッド自動車)タイプも登場した。PHVとは、近距離では電気自動車(EV)、長距離では従来のハイブリッド自動車(HV)として走行できる自動車だ。
米国環境車サイト「Hybridcars.com」によれば、2014年9月時点でのEVとPHVの全世界での販売実績が60万台を突破したという。推移を見ると、2011年12月に10万台を突破し、2012年12月に18万台、2014年9月に60万台を超え、60万3932台となっている。2015年9月には100万台を超えるとの予想もある。
国内に目を向けてみると、2011年のEV、PHEV保有台数が2万6394台だったものが、2013年には8万4928台へと増加している。ロームがシーテックジャパンでその背景として発表したのは、EV用リチウム電池の価格が急低下したこと、電池のエネルギー密度の向上、充電スタンドが拡充するなどインフラ面での整備だった。
2015年には、2月にフォルクスワーゲン「e-up!」が、その後もアウディ「A3スポーツ e-tron」「Q7」、BMW「7シリーズ」、フォルクスワーゲン「Twin-up!」「e-Golf」など続々と投入される予定がある。国内外問わず、今後はますますエコカーに注目が集まりそうだ。
充実する充電インフラと補助金制度
EVやPHVといった“次世代エコカー”の販売台数増加の背景に挙げられている、充電スタンドの拡充。急速充電器は2015年3月末までに全国に約6000基、普通充電器は2015年末までに1万1000基にまで増加させる計画だという。
充電設備が増えても、設置場所が分からなければ不安になってしまう。そこで、トヨタメディアサービス、豊田自動織機、日本ユニシスは3月9日に、スマートフォン向けアプリ「全国EV・PHV充電まっぷ」をリリースし、検索できるようにした(参照リンク)。
補助金面でいえば、経済産業省が3月12日、EVとPHVを運転する高速道路利用者に向け、最大6万円の調査協力費を支給すると発表(参照リンク)。これは、次世代エコカー普及を加速させたい、という政府の取り組みの一環でもある。
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