岡田: 超・深重心というのは、あえてドライバーのトレンドと逆行したイメージがあります。なぜ、逆方向に振ろうと思ったのでしょうか?
柴崎さん: ヨネックスは30年前にゴルフ業界に「新規参入」したメーカーです。他と違うことをアピールしていかないと埋没してしまいます。そこで当時から「カーボン」にこだわってきました。そのこだわりはi-EZONEにも生かされていて、新規開発したのが「カップ型カーボンクラウン」というものです。これによって、サイドからソール後方への大胆な重量配置の変更が可能になりました。
岡田: カップ型カーボンクラウンというのは、ドライバーの上側を覆っているパーツのことですね。チタンで作るよりも約16グラムも軽量化できるとか。
柴崎さん: そうです。そしてカップ型カーボンクラウンを採用したことが、i-EZONEにもう1つのオリジナリティをもたらしました。岡田さん、それが何だか分かりますか?
岡田: うーん、何でしょう? 白と黒の2トーンに塗り分けられていることでしょうか?
柴崎さん: そのとおりです。私も開発中に何度も試打をしていまして、開発中はチタンのシルバーとカーボンの黒の2トーンでしたが「これは、何だか構えやすいぞ」と思ったのです。その意見が採用されて、ほかのドライバーにはない白と黒の2トーンカラーヘッドが誕生しました。
アマチュアゴルファーのみなさんは練習場ではちゃんと構えられるのですが、実際にゴルフ場に出てラウンドしていると、目印が少ないこともあって多くの人が目標よりも右を向いて構えてしまいます。そうなると、そのまま右に打ちだしてしまうか、体が目標のほうにねじれて左にひっかけてしまう。
2トーンに塗り分けたことで、フェースの向きを正しい方向に合わせやすくなり、目標に向かって正しくアドレスできます。また、スイングの始動時のヘッドの軌道も分かりやすい。構えやすさは安心感につながります。「何だか打てそうもないなあ」と思って振るクラブは絶対に打てないものですよ。
岡田: あー、それはすごく実感できます。実は、ドライバーがあまり得意なクラブではなくて。でも、ショートホール以外では「使わなきゃいけない」クラブですからね……。不安なまま振ってもいい結果にはなりませんよね。
柴崎さん: 個人的な意見になりますけど、やっぱりドライバーが飛ぶとゴルフも楽しくなると思います。先週、i-EZONEを使ってラウンドしたところ、過去最長のナイスショットがでましてね。「あそこまではいかないだろう」と思うところを、超えていけるんですよ。
それに、ゴルフに求めるものは人それぞれだとは思いますが、「同じくらいの技量をもった同伴プレイヤーより、ドライバーをもっと遠くへ飛ばしたい」という欲求はあると思います。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング