なぜセブン-イレブンは“王者”であり続けるのか:仕事をしたら“2015年”が始まった(前編)(2/6 ページ)
セブン-イレブンの快進撃が止まらない。2014年4月に消費税が増税され、他のコンビニが苦戦する中、セブンは売り上げを伸ばした。セブンカフェやセブンプレミアムなど、なぜヒット商品を生み出すことができるのか。現役コンビニオーナーの川乃もりやさんに話を聞いた。
“ブレているかブレていないか”
土肥: 川乃さんは某コンビニチェーンの加盟店オーナーとして活躍されていますが、なぜセブンの売り上げは伸び続けていると思いますか? ローソンもファミマも……他のコンビニも棚に並んでいる商品ってそれほど違いはありません。お弁当はあるし、惣菜もあるし、スイーツもある。店内で淹れるいわゆるコンビニコーヒーもあるのに、なぜセブンは一歩も二歩もリードしているのでしょうか?
川乃: 大前提に「立地のいい場所」に店舗を構えていることが挙げられます。これは本部の戦略が優れているのと、資本力の差が大きいですね。
このほかに、何があるのか。各社がチカラを入れているコンビニコーヒーを例に話をしましょう。セブンは2013年に全店でコンビニコーヒーを導入して、その後も売り上げを伸ばし続けています。1日の1店舗当たりの平均販売数をみると、2013年8月は91杯だったのに、2014年8月には120杯に増えています。ローソンやファミマもコンビニコーヒーの売り上げはまずまずのようですが、セブンと何が違うのか。それは“ブレているかブレていないか”なんですよ。
土肥: どういう意味でしょうか?
川乃: セブンはこれまで何度もコンビニコーヒーに挑戦してきましたが、なかなかうまくいきませんでした。他社もうまくいかなかったのですが、大規模に展開したのはローソンやファミマのほうが早かったんですよ。でも、セブンは全店にどーんと導入した。しかも、100円で発売しました。
一方のローソンとファミマは違いました。ローソンは当初、Mサイズ(200グラム)を185円(会員価格155円、いずれも税込)で発売していたのに、Sサイズ(160グラム)で100円の商品を出してきました。ファミマはSサイズが120円でしたが、100円にしました。両社ともセブンに追随した格好で、最も小さいサイズのモノを100円にしました。ここでお客さんはどういった印象をもたれると思いますか?
土肥: 「あー、安くなった。よかった、よかった」では?
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