ディープラーニングとは何なのか? そのイメージをつかんでみる人工知能(1/5 ページ)

» 2015年07月27日 11時36分 公開
[深澤祐援Credo]
Credo

 今や毎日のように人工知能に関するニュースが飛び込んできますが、その中でも特に注目を集めているのが“ディープラーニング”です。

 研究開発を進める企業として最も有名な例はGoogleでしょうか。最近もGoogleがディープラーニングによる画像認識を体験できるWebインタフェースを公開し、話題を集めました。(参照リンク

 では、ディープラーニングとは一体何なのでしょうか。本稿ではこのディープラーニングについて、そのイメージをつかむことに重点を置いて説明していきたいと思います。

人間の神経構造を模したニューラルネットワークの発展版

 ディープラーニングの考えのもととなっているニューラルネットワークは、人間の脳神経回路を真似することによってデータを分類しようというアイデアに基づくアルゴリズムです。

 人間の脳はニューロン(神経細胞)のネットワークで構成されていて、あるニューロンはほかのニューロンとつながったシナプスから電気刺激をニューロン同士のつながるの強さに応じて受け取り、その電気が一定以上たまると発火して、次のニューロンに電気刺激を伝えます。

 これを数学的に表現すると、あるニューロンがほかのニューロンから0か1の値を受け取り、その値に何らかの重みをかけて足し合わせるという計算をしていると表現できます。

 ここでいう重みというのは、ニューロン同士のつながりの強さを表していると考えられます。

 受け取った値の合計がある一定の値(閾値)を超えると1になり、超えなければ0になります。そして、1の値になったニューロンは再び次のニューロンに値を受け渡していくのです。

 一連の流れの中で肝となるのは重みづけで、人間のニューロンが学習によってシナプスの結合強度を変化させるように、学習する過程で重みづけを変化させ、最適な値を出力するように調整することで、精度を高めていきます。

 ディープラーニングがニューラルネットワークと異なる最大の点は、何層ものネットワークを積み重ねているという部分です。

 ニューラルネットワークを構成する際、今までも当然何層にもネットワークを重ねるという試みは行われてきました。しかし、3層以上にすると精度が向上しないという問題を抱えていたのです。正解と予測とのズレから重み付けを修正していくのですが、ネットワークが深すぎて重み付け調整が届かなくなってしまうのが原因でした。

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