なぜキリンがこのような会員制サービスを展開するかというと、飲食に関心が高い層を囲い込む狙いがある。2015年4月にオープンしたクラフトビールの専門店「SPRING VALLEY BREWERY TOKYO」は連日約1000人が来店し、DRINXも会員数3万人と好調。「少し特別なお酒を飲んでみたいという層は相当数いる」(橋本氏)と、ブルワリーオーナーズクラブも感度の高いユーザーに向けたサービスだと強調した。
2015年5月28日に開かれた発表会では、建築家の土谷貞雄氏と永山裕子氏、ジャーナリストの佐々木俊尚氏によるトークショーも実施。家族のあり方が変化している中での食卓や、その舞台となるリビングダイニングキッチンの役割や、シェアハウスなどの新たなコミュニティの登場について意見が交わされた。
永山氏は「人を呼べるようなオープンなスペースが求められている」と開かれたダイニングキッチンへの注目が高まっていることを指摘。ブルワリーオーナーズクラブについても「ビールサーバーがあれば人が集まるきっかけになるのでは」(土谷氏)、「決してお金持ちのものではなく、さまざまな食材の中で、ここだけこだわっている、というニーズがある」(佐々木氏)と期待を寄せた。
一方で、質疑応答では橋本氏が「酒類でビールは苦戦している」と危機感を滲(にじ)ませる一幕もあった。他社が展開しているクラフトビールだけでなく、ウイスキー市場やワイン市場の高付加価値商品などの比較で、どこまでサービスのクオリティをアピールして、想定ターゲット層の心をつかむことができるのかに注目が集まりそうだ。
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