店舗の立地として広尾を選んだのは小野澤氏の直感で、特別な理由はなかった。ただ、こだわったのは、商業施設にテナントとして入居するのではなく路面店であること、そして、ヨーロッパで目にした光景と同じようなイメージや、提唱したいスタイルにできるだけ近づけられるような場所が良いと考えていた。そうした中で、フライドポテトを買った顧客が食べながら広尾商店街を歩いたり、付近にある有栖川宮記念公園で食べたりというスタイルが合致するイメージだったという。
出店を決めてから小野澤氏が知ったのは、広尾は商売的に難しい場所だったこと。「駅の乗降者数は元々少ない上に、夜になるとさらに人がいなくなる。しかし物件の賃料は高いので、チェーン系の飲食店などは手を出しづらい土地だったよう」と小野澤氏は苦笑いする。
来店客はさまざまだ。若い女性や親子連れ、遠方から来る人もいれば、夕方にビールを飲みながらポテトをサクッと食べて帰る男性もいる。特定のターゲット層は設けておらず、例えば、昼間にはテイクアウトが多いかどうかなどの顧客の行動パターンを分析しているわけでもないという。「我々が提供するものを喜んで食べてもらえるのであれば、すべての人たちが対象顧客となる。食というのはそういうものだ」と、And Theの高中利幸副社長は強調する。
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