楽天、9700万ユーザーを超える会員基盤をどう生かす?3分で分かるビジネス戦略(1/2 ページ)

» 2015年02月27日 08時00分 公開
[Business Media 誠]

 Business Media 誠では、さまざまな業界で注目を集めている会社を中心に、各社のビジネス戦略を知るための連載を実施中です。9回目は「楽天」です。

日本郵便との提携などでサービス強化

――現在の市場環境についてご説明ください。その環境をどのように受け止めていますか。

 インターネット、携帯電話などの情報通信技術(ICT)は、新興国や途上国地域においても急激に普及が進んでおり、世界のインターネットユーザーは2014年時点で29億2000万人に達しています。モバイルインターネットの基盤となるスマートフォンユーザーは、17億5000万人に上ります。今後もEC市場の拡大が見込まれる中、楽天では、成長戦略を一段と進めています。

――そうした中で、どのような目的・ビジョンを持って活動されていますか。

 楽天は、インターネットを通じて人々と社会に力を与えること(エンパワーメント)を経営理念に掲げるとともに、「世界一のインターネット・サービス企業になる」ことを目標にしています。

――2015年の企業戦略について聞かせてください。

 既存サービスの充実に加え、スマートデバイス向けのサービス強化、電子書籍やビデオストリーミング、通信などの新しいサービスを積極的に展開していきます。また、「楽天スーパーポイント」やビッグデータなどの活用、日本郵便と連携した荷物受け取り「ロッカー」をはじめとする新しい配達形態などにより、ユーザーのロイヤリティを効率良く高めるマーケティング活動を推進します。

「楽天市場」 「楽天市場」

――直近の決算の数字をどのように受け止めていますか。

 営業利益は前期比18%増の1064億円、国内EC事業の流通総額は14%増え、初めて2兆円を超えました。

 「楽天市場」におけるスマートフォンからの購入比率が4割を超える中、3年ほど前からスマートフォンへの対応で先手を打ってきたことが奏功しました。また、大型セールイベント「楽天スーパーSALE」などの各種施策を積極的に展開したほか、動画を活用した販促も販売の堅調な伸びにつながっています。今後も、世界的なEC市場の拡大、当社グループサービスの向上等に伴い、流通総額は引き続き強い増加傾向を維持すると見込まれます。

 インターネット金融では、クレジットカード関連サービスにおいて、「楽天カード」会員の増加に伴いショッピング取扱高が前連結会計年度と比べ大幅に増加しました。

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