過去にさかのぼると、米国でコンベンションビジネスが最も活況だったのは、リーマンショック前の2007年頃になる。例えば、コンベンションのためにラスベガスを訪れたビジネス旅行客は620万人に上り、その経済効果は84億ドル(約1兆円)にもなった。その後、不景気の影響を受けコンベンションビジネスは低迷。だが今、景気復調に合わせて、コンベンションの開催やビジネス旅行客が増えており、不況前の水準に近づきつつある。
コンベンションのマネジメントを行うIT企業「Cvent(シーベント)」によると、コンベンション開催地の2014年トップ3はシカゴ(イリノイ州)、オーランド(フロリダ州)、そしてラスベガス(ネバタ州)だ。この3都市は、米国最大規模の設備を誇るシカゴの「McCormick Place(マコーミック・プレイス)」を筆頭に、巨大コンベンションセンターがあることで有名な場所だ。しかし、実はもうデカければいい時代は終わりつつある。
最近のトレンドでは、よりフレキシブルでエネルギー効率がよく、最先端のデザインのコンベンションセンターが求められている。さらに、Wi-Fiなどのハイテク設備、近隣にビジネスミーティングのできるハイグレードなレストランや、息抜きのためのショッピング施設があることなど、快適に過ごせるような設備が求められている。
その好例が、ニューヨークにある「Jacob K. Javits Convention Center(ジェイコブ・ジャヴィッツ・コンベンション・センター)」だ。4億6500万ドル(約553億円)を投じて2013年にリノベーションが完了した同施設は、Wi-Fiが導入され、エコ仕様のルーフトップやエネルギー効率の高い特殊なガラスパネルを6000枚も施した斬新なデザインになっている。リノベーション後には、コンベンションの参加企業やビジネス旅行客が増えているという。今後、近隣に新しい地下鉄の駅やホテルの建設も予定しており、さらにトラフィックが増えそうだ。
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