インタビュー
» 2015年01月26日 08時00分 UPDATE

巨大アパレルの強さ(後編):ファーストリテイリングは売上高5兆円を達成できるのか (1/3)

ユニクロなどを展開するファーストリテイリングは、2020年度に売上高5兆円の目標を掲げている。ハードルの高い数字に思えるが、実現する可能性はあるのか。流通コンサルタントの齊藤孝浩氏に話を聞いた。

[ふじいりょう,Business Media 誠]

巨大アパレルの強さ:

 1月8日に発表した2015年8月期第1四半期決算で計画を上回る増収増益となったファーストリテイリング。海外ユニクロ事業の売上高は47.3%増となっており、特にアジア地域での出店が好調だ。

 現在、アパレル企業としてはZARAを擁(よう)するインデテックスグループや、H&M、GAPに次ぐ世界第4位の規模となっており、柳井正会長兼社長が掲げる2020年売上5兆円という目標を達成してトップの座を狙っている。

 一方で、スペインを本拠に世界88カ国へ出店するZARAも、東アジアやブラジル、東欧への進出を拡大。国外売上比率が8割以上とグローバルブランドとしての地位を確立しており、年率10%の安定成長を目指している。

 ベーシックカジュアルに強みを持つユニクロと、トレンドファッションを全世界で展開しているZARA。売上規模でユニクロがZARAを越えることが実現可能なのか。

 ブログ『ファッション流通de業界関心事』を運営し、2014年11月に著書『ユニクロ対ZARA』(日本経済新聞出版社)を刊行した流通コンサルタントの齊藤孝浩氏に2つのブランドの特徴などを含めて話を聞いた。前後編でお送りする。

 →ユニクロとZARAの違いは? そして世界トップ企業の特徴(前編)

 →後編、本記事


ユニクロの特徴

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――前回はZARAの強みなどを語っていただきましたが(関連記事)、今回はユニクロについて聞かせてください。ユニクロの場合、高品質かつローコストであることを徹底し、チラシなどの広告宣伝にも力を入れるなど、ZARAとは対照的な戦略となっています。特に販売計画での特色はどういったことになるのでしょうか?

齊藤: ユニクロの場合は1年前からそのシーズンの準備をして、実際にシーズンに入ってからは、1週間単位で軌道修正ができるとい仕組みになっっています。なぜ軌道修正ができるかというと、1週間単位で商品カラーやサイズまで販売計画が立っていて、要は計画通りに売れているのか、売り上げを見れば分かるわけです。予定より売れていれば増産して、予定より売れていなければ計画値まで売るために週末限定値下げを実施するのです。

 多くの企業は年間で月単位の計画を立てていますが、1カ月の計画が予定通り行かなかった時に翌月で挽回するというのは難しいと思います。それが週単位であれば改良幅が小さいので、取り返す実現性が高くなるわけです。

――計画を細かく立てて管理する単位を小さくして、短期で改良点を発見して解消するために試行錯誤するという考え方がユニクロでは徹底しているということですね。

齊藤: ファッショントレンドに左右されないアイテム、どのシーズンでもコーディネートの組み合わせで必要とされるモノに特化している。とはいえ、カラーやサイズ別に売り上げのばらつきが出ます。それを調整するために、自ら素材から縫製工場までコントロールできる体制にしているのです。最終的に大きな値下げをする必要がなく、損が出ないような仕組みにしてリスクを回避しているのがユニクロの特徴になります。

yd_saitou1.jpg チラシなどの広告宣伝に力を入れるユニクロ(出典:ファーストリテイリング)
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