JR九州が各地で観光列車を走らせ、その真打ちとも言える「ななつ星 in 九州」をデビューさせてから、各地で観光列車の取り組みが続いている。北陸新幹線開業関連のJR西日本やのと鉄道については前述の通り(関連記事)。ほかにも新しい観光列車が誕生する。
まずJR東日本から、2015年4月下旬以降に磐越西線で「フルーティア」を運行開始する。福島県への観光支援が目的。719系一般型電車を改造し、カフェカウンター車両と座席車による2両編成。福島県産のフルーツなどを使用したオリジナルスイーツを提供するという。運行区間は郡山駅―会津若松駅間で、主に土・日・祝日に運行するとのこと。会津若松駅―新潟駅間には「SLばんえつ物語」が走っている。
運行時刻は未発表ながら、ルートとしては、東北新幹線―フルーティア―SLばんえつものがたり―上越新幹線という回遊が可能。うまく接続すれば日帰りできそうだけど、わざと会津若松で接続せず、宿泊を促すという施策もありそうだ。2015年4月から6月までは、JRグルーブと地域の観光業種による観光キャンペーン「ふくしまデスティネーションキャンペーン」が予定されている。ほかにもイベント列車が登場しそうだ。
JR九州もスイーツ列車を準備中だ。2015年夏から土・日・祝日を中心に久大本線と大村線で計画している。地元の食材を使用したスイーツを楽しめるという。名称は未定。ただしコンセプトは「或る列車」だ。「或る列車」とは、国鉄に転換される前の九州鉄道が米国に発注した豪華客車で、活躍の機会が少なく「幻の客車」でもあった。
「或る列車」の図面など資料は少ない。ただし、鉄道模型愛好家で2014年7月に逝去された原信太郎氏が模型で再現している。その模型をモチーフとして、ディーゼルカー2両を改造するとのこと。「ななつ星 in 九州」と同じもてなしを短時間で楽しむという意気込みがあるようで、こちらも楽しみだ。
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